埼玉県熊谷市の解体工事業者一覧と費用相場について解説
熊谷市の解体工事を巡る状況
熊谷市は埼玉県の北部に位置する人口約19.4万人の市です。江戸時代に中山道の宿場町として栄えた熊谷市は、農業・商業・工業がバランスよく発展しており、埼玉県北部における経済の一大拠点となっています。荒川左岸に接する地域に中心市街地があり、可住地面積は県内で2番目の広さです。
JR熊谷駅の周辺は古くから商業地としても発展していますが、「熊谷駅東地区第一種市街地再開発事業」によってさらに整備され、周辺には大型商業施設や高層マンション等が建設されています。2005年に熊谷市・大里町・妻沼町が合併して新たな「熊谷市」となり、2007に江南町が熊谷市に編入されたことで市域が大きくなった熊谷市ですが、近年人口は減少傾向となっており、地域の高齢化も進みつつあります。
熊谷市の住宅事情を調べてみると、マンションには中古物件が多いことがわかります。一方で、戸建て住宅に関しては新築物件が多数紹介されており、価格相場は2,500~3,000万円くらいです。賃貸用の住宅には新築物件もいくつかありますが、割り合いとしては築年数の古い物件が多く、なかには築47年というかなり古い賃貸マンションもありました。
詳しく見て行くと築30年以上の物件が次々と出てくることに驚きます。経済的に発展し、緑多く住環境の良い熊谷市ですが、市内には長い間空き家状態となっている住宅が思いのほか多く、空き家率(14.2%)は全国平均を超えている状況です。
熊谷市では、空家等対策を総合的かつ計画的に実施することを目的として「熊谷市空家等対策計画」を策定しています。計画期間は平成30年度からの5年間で、対象とする空家等は、建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地です。また、熊谷市では空家特措法で規定する「空家等」に該当しない長屋等の建物や空き家となる見込みのある建物なども対象に加えることとしています。
ここからは、熊谷市の解体工事の現状を紹介し、解体工事費用の相場、解体工事を依頼する上で留意するべき点などを紹介していきます。
熊谷市の解体工事費の相場(平均坪単価)
解体工事は「木造」「鉄骨造」「RC造」の3種類に大きく分類されます。解体工事費の相場は建物の構造で大きく異なりますが、立地環境によっても違ってきます。熊谷市は昔から交通の要衝として栄えた街です。市内には歴史を感じる建物も多く、老朽化が進んでいる住宅も少なくありません。
腐朽が激しい住宅を解体する場合、より慎重に作業を行う必要があります。また、隣家が近い場合は大型重機が使い難いでしょう。場合によっては工期が長くなり、費用が想定より高くなることがありますから、これから紹介する解体工事費の相場についてはあくまでも見積りを取る際の一つの目安とお考えください。
ここからは、3つの分類ごとの熊谷市の解体工事の相場(平均坪単価)を紹介していきます。
木造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 3.0万円 |
20〜29坪 | 2.7万円 |
30~39坪 | 2.6万円 |
40~49坪 | 2.5万円 |
50~59坪 | 2.4万円 |
まず「木造」の解体費用相場です。「木造」というのは主要構造部分に木材を使用した建築物のことを言います。熊谷市における木造建物の解体費用相場は、一般的な規模の30〜39坪で坪単価2.6万円ですから、埼玉県のなかでは低い方です。ただしあくまでも相場ですから個別条件によって費用は変わってくるでしょう。
もし住宅内に家財道具など残存物がある場合は、その搬出・処分費用がかかりますし、庭木や庭石などを撤去する場合もその費用が追加となるでしょう。解体業者に見積りを依頼する場合、作業範囲を明確にしておくことをお薦め致します。残存物の処分費用は思ったよりも高額になることがありますので、できる限り着工前にご自身で処分しておきましょう。
ちなみに、解体によって発生した木材や木屑等は状態が良ければ専門の業者に買い取ってもらうことができますので、着工前に解体業者と相談しておきましょう。
鉄骨造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 3.3万円 |
20〜29坪 | 3.0万円 |
30~39坪 | 2.8万円 |
40~49坪 | 2.7万円 |
50~59坪 | 2.6万円 |
続いて「鉄骨造」の解体費用相場です。「鉄骨造」とは柱や梁などの骨組みに鉄骨を組んで造った建築物のことを言います。
「鉄骨造」の建物を解体する場合、その構造から木造よりも大掛かりな工事となるため費用も高くなります。費用負担を抑えるためには解体によって発生した鉄材や鉄くずを有価物として業者に買い取ってもらうことをお薦め致します。
なお、解体する建物にアスベスト(石綿)を含む建材が使用されている場合、アスベスト処理に必要な専門資格を有する作業員が必要となり、厳密な作業基準を守って除去工事を進めなければいけません。アスベスト処理の有資格者が在籍し、経験豊富な解体業者を選んでおくと安心でしょう。
RC造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 5.1万円 |
20〜29坪 | 4.7万円 |
30~39坪 | 4.4万円 |
40~49坪 | 4.2万円 |
50~59坪 | 4.1万円 |
最後に「RC造」の解体費用相場です。「RC造」とは柱、梁、床、壁などが鉄筋とコンクリートで作られており、その2つの組み合わせによって強度を増した建築物のことを言います。RC造の建物となると大抵の場合大型特殊重機や大型車両を使用することになります。取り壊しだけでなく廃材の分別作業にも相当の時間を要しますから費用もその分高くなります。
また、工事期間中は騒音や粉塵、振動などが発生し、近隣住民の生活に影響を与えてしまいますので、着工前にしっかりと説明しておくことをお薦め致します。近隣トラブルを避けるためにも丁寧な対応ができる解体業者を選んでおきましょう。
埼玉県熊谷市で実際に行われた解体工事の費用事例
建物解体工事以外の案件や飲食店などの内装解体を行いたい方は、前述した費用相場を見てもピンとこないことでしょう。そこで、解体工事見積もり広場へご相談頂き、実際に受注にいたった案件の費用事例を随時ご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
- 埼玉県熊谷市における解体工事の費用事例は現在作成中となっております。
埼玉県熊谷市で設備解体工事を依頼する前に知っておくべきこと
店舗やオフィスの設備を解体する工事の総称は内装解体
設備解体工事といっても人それぞれ認識が異なることが多く、業者への見積もり前にあらかじめ理解を深めた上で依頼することが大切です。
ここでは、主に店舗やオフィスで依頼することがある工事の種類や名称、その内容の違いなどについて解説していきます。
クリックで画像拡大
内装解体
内装解体とは、スケルトン工事や原状回復工事の総称です。
具体的には、スケルトン工事や原状回復工事を行う際に、店舗・オフィス内の造作物(厨房設備やカウンターなど入居時になかった物)を解体して撤去する作業のことを言います。
スケルトン解体工事
スケルトン解体工事とは、建物の構造体以外は何もない状態へ戻す工事の名称です。
入居時の内装工事で造作した間仕切りや天井、壁や床などの造作物を全て撤去していきます。鉄筋コンクリート造のビルなどの場合、コンクリート打ちっぱなしの状態と表現されます。
スケルトン工事、スケルトン仕上げ、スケルトン戻し、などと呼ばれることがありますが、そのどれもスケルトン解体工事のことを指しており、意味は同じとなります。
原状回復工事
原状回復工事とは、店舗やオフィスなど物件を借りた際の元々の状態にまで戻し、貸主に返却するために借り主が行う工事です。
物件を借りた時点でスケルトン状態だったのであれば、原状回復工事はスケルトン工事となり、そうでなければ造作物など後から付けたものを撤去する工事となります。
例えば、飲食店など店舗として物件を借りる場合、スケルトン状態で借りていることが多く、オフィスや事務所として借りる場合、スケルトン状態ではないケースが多いでしょう。
※物件を借りた際の契約書に解約時の原状回復工事内容について記載されています。
設備解体工事
設備解体工事とは、一般的に工場などの設備を解体するプラント設備解体工事を指す場合がほとんどです。店舗やテナントの場合、借りた際にはなかった厨房などの設備を解体・撤去する工事の名称としてはあまり使われません。
そのため、飲食店などの店舗を移転・閉店する際に厨房設備などを撤去・解体したいのであれば、多くはスケルトン解体工事を依頼することになるでしょう。
また、飲食店の改装などで現場を解体・撤去してスケルトン状態にするために、消火用設備電源装置などの消防設備工事も必要なケースがあります。そういった場合は消防設備工事業務、整備業務、点検業務も同時に対応可能な解体業者に相談してください。
まずは間違いを起こさないために、賃貸借契約書などで解約時の工事内容について確認した上で、解体業者に見積もりを依頼しましょう。
熊谷市の空き家の種類と件数
熊谷市の空き家の現状について政府統計データに基づき分析してみましょう。
熊谷市の空き家の総数は12,660件です。総住宅数は88,850件ですから空き家率は14.2%という高い値になります。ちなみに、埼玉県の空き家率は10.9%です。なお、空き家というのは誰も住んでいない、住めない家ということではなく、別荘として利用している「2次的住宅」、「賃貸用の住宅」、「売却用の住宅」、この3つに該当しない「その他の住宅」の4つの種類に分類されます。
熊谷市の空き家12,660件の内訳を見ると、2次的住宅は130件ですが、賃貸用の住宅は6,320件で、売却用の住宅は240件、この3つのような利用目的がないその他の住宅は5,970件でした。このデータを見ると、熊谷市の空き家は「賃貸用の住宅」と利用目的のない「その他の住宅」の2つで大半を占めていることがわかります。
まずは、賃貸用の住宅に空き家が多い要因を調べてみます。熊谷市は埼玉県北部における経済の一大拠点となっており、製造品出荷額は県内第4位の規模です。市内には工業団地が多く、大小様々な事業所が存在しています。1955年(昭和30年)に約9.4万人だった人口は街の発展とともに増え、1990年(平成2年)には15万人を超えています。
そのため人口の増加に合わせるように賃貸用の住宅も増え、当時建てられた古いマンションが今も市内各所に残っています。しかしながら新築物件も増え続けており、賃貸用の住宅の数は需要を上回っている状態ですから、その結果として空き家が多くなっているのでしょう。
続いて、その他の住宅に空き家が多い要因を探ってみます。その他の住宅5,970件を建て方で分類すると、一戸建が4,590件、長屋建・共同住宅・その他が1,380件でした。このことから熊谷市の「その他の住宅」はほとんどが戸建て住宅ということがわかります。また、市がまとめた「熊谷市の持ち家数の推移」を見ると、新築住宅の取得は年々増えていますが、中古住宅の購入数はピーク時の約1/5まで減少しています。
利用目的のないその他の住宅になるのは、相続等何らかのかたちで取得した住宅が適正管理されず、賃貸等でも活用されずに放置されたことが大きな要因と考えられます。空き家の所有者に向けた意向調査によると、多くの所有者が「売却・賃貸を考えている」と回答していますが、実際には中古物件にはあまり人気がなく、賃貸等でも上手く活用されていないのでしょう。
このような状況を踏まえつつ、熊谷市にある空き家の実情を統計データから分析してみましょう。
「平成25年住宅・土地統計調査」によると、熊谷市内にある空き家のなかで腐朽・破損がある物件の数は3,400件でした。空き家の総数が12,660件ですから約3.7件に1件という高い割合で腐朽・破損があることになります。その内訳を見ると、二次的住宅は20件ですが、賃貸用の住宅は1,400件で、売却用の住宅は50件ですが、その他の住宅は1,930件と大半を占めています。建て方で分類すると、一戸建が2,260件で、長屋建・共同住宅・その他に関しては1,140件でした。さらに詳しく見ると、腐朽・破損がある一戸建2,260件のうち1,700件がその他の住宅です。
熊谷市で腐朽・破損がある空き家状態の住宅は大半が一戸建で、その約75%がその他の住宅という状況です。
熊谷市の高齢化率を調べると、2017年の時点では27.5%ですが、今後も高齢化の進行が予想されており、2023年には30%を超えると推計されています。市内には老朽化した戸建て住宅が多いことがデータでわかりましたが、今後も相続等で引き継がれた住宅が居住もしくは利活用されなければ、空き家が増えることが予想されます。
利用目的を失った住宅が解体されない原因には「固定資産税の特例措置」が大きく関係しています。この措置によって住宅が建っていれば税が軽減されますが、更地になってしまうとその特例が適用されなくなります。熊谷市においても老朽化した「その他の住宅」が多くなる一つの要因と考えられます。
熊谷市ではその対策として、「相続した空き家の譲渡所得の特別控除」制度を設けており、相続人が、当該家屋または取壊し後の土地を譲渡した場合(譲渡価格が1億円以下)には、当該家屋または土地の譲渡所得から3,000万円が特別控除されることとなっています。また、平成31年4月1日以降の譲渡については被相続人(要介護認定)が相続開始の直前まで老人ホーム等に入所していた場合も適用対象としています。
ちなみに、熊谷市の2019年の公示地価を調べると平均56,573円/㎡で、変動率は+0.09%でした。ただし、下降している地域も多数あります。また、ここ数年下降傾向にありますから、しばらくは地価が大きく上昇することはないでしょう。腐朽・破損があり、利用することができない空き家を所有する方は、思い切って解体し、早めに跡地を売却することを検討してみてはいかがでしょうか。
熊谷市では、多くの所有者が空き家の売却・賃貸を希望していることから、「埼北空き家バンク」の充実および「全国版空き家・空き地バンク」を活用し、空き家の利活用を促進しています。また、新規就農者に対しての空家等の利活用の促進を図るほか、「住宅確保要配慮者」に対する空家等の利活用についても検討しています。
さらに、空き家や空き家解体後の跡地利用の促進にも取り組んでおり、「公益社団法人全日本不動産協会埼玉県本部」等と「埼玉県北部地域における空き家の利活用等に関する協定書」を締結しています。
ほかにも熊谷市では空き家対策に具体的な施策で取り組んでいますので、空き家についてお悩みの方は一度行政に相談してみると良いでしょう。
まとめ:熊谷市の家・空き家の解体は地元の解体業者に相談を
熊谷市では賃貸用の住宅と利用目的のないその他の住宅に空き家が多いのですが、近年特に老朽化した戸建て住宅が増えています。今後高齢化が進むと予測されている熊谷市では、相続等で引き継がれたものの空き家となる住宅が増えて行くでしょう。
熊谷市では空き家対策に力を入れて取り組んでいますので、何らかの理由で老朽化した空き家を所有している方は、できる限り早く行政に相談し、対策を講じることをお薦め致します。住宅というのは居住者がいない期間が長くなるほど腐朽が進むものです。
腐朽するまま放置していれば「特定空家等」に指定され、行政によって解体されたのち費用を請求されることもあり得るのです。空き家問題は先送りにして良いことは一つもありません。
解体すると決めたならば、行政の制度や熊谷市特有の環境に詳しい地元の業者を選びましょう。