埼玉県加須市の解体工事業者一覧と費用相場について解説
加須市の解体工事を巡る状況
加須市は埼玉県の北東部に位置する人口約11万人の市です。2010年3月に旧加須市・北埼玉郡騎西町・大利根町・北川辺町が合併して今の加須市になりました。古くから穀倉地帯として知られる加須市では小麦の生産も盛んで、「加須の手打ちうどん」が有名です。
田畑が多く長閑な土地ですが、市内には加須工業団地など複数の工業団地があり、利根地域の中心的な都市のひとつでもあります。加須市は関東三大不動の一つ「不動ヶ岡不動尊」があることでも知られており、江戸時代には水運が発達した宿場町として栄えていた歴史ある街です。
加須市東部に隣接するJR宇都宮線・栗橋駅から東京駅まで直通運転しており、約1時間で移動できます。交通利便性の高い立地から近年はベッドタウンとしても注目されています。
加須市の住宅事情を調べると、2019年に新築されたマンションはないのですが、中古マンションは多数売り出されており、価格相場は専有面積70m²で1,100万円という手頃さです。
分譲戸建て住宅に関しては新築の建売り住宅が多数販売されており、こちらも1,500~2,000万円くらいの手頃な物件が多数を占めています。賃貸情報を見ると新築物件が多数紹介されていますが、築40年といった古いアパート等もあります。近年ベッドタウンとして注目されている加須市ですが、ここ数年は空き家物件が増えており、空き家問題が深刻化しつつあるようです。
加須市では空き家対策を総合的かつ計画的に実施するため、空家等対策の推進に関する特別措置法の規定に基づき、平成28年9月に「加須市空家等対策計画」を策定しています。本計画では加須市内全域を対象とし、空き家等の解消に向けた取り組みを推進しています。
ここからは、加須市の解体工事の現状を紹介し、解体工事費用の相場、解体工事を依頼する上で留意するべき点などを紹介していきます。
加須市の解体工事費の相場(平均坪単価)
解体工事は「木造」「鉄骨造」「RC造」の3種類に大きく分類されます。建物の構造で解体工事費の相場は大きく異なりますが、立地環境によっても違いが出ます。加須市は利根川や渡良瀬川などの水の恵みによって発展した街です。穀倉地帯であるため用水路なども多いのですが、住宅のなかには地盤が弱い土地に建っているものもあります。
そのような土地で解体工事を行うと、地中に地盤補強のための杭が多数使われていることがあります。地中杭というのは工事を始めてみないと状態がわからなかったりするので、当初の予定より工期が長くなり、費用に影響が出るかもしれません。これから紹介する解体工事費の相場についてはあくまでも見積りを取る際の一つの目安とお考えください。
ここからは、3つの分類ごとの加須市の解体工事の相場(平均坪単価)を紹介していきます。
木造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 3.4万円 |
20〜29坪 | 3.1万円 |
30~39坪 | 2.9万円 |
40~49坪 | 2.8万円 |
50~59坪 | 2.7万円 |
まず「木造」の解体費用相場です。「木造」というのは主要構造部分に木材を使用した建築物のことを言います。
加須市における木造建物の解体費用相場は、一般的な規模の30〜39坪で坪単価2.9万円ですから県内では安い方ですが、個別の条件によって費用に差が出るでしょう。母屋以外に作業小屋やカーポート、生垣・ブロック塀などがあればその解体費用がかかります。また、庭をどこまで整地するかによって費用に差が出るでしょう。
庭木等を残したままにするのと、すべて撤去し更地にするのでは手間も時間も大きく変わります。工事を始めてから思わぬ追加費用が発生しないよう、着工前に作業範囲をしっかりと打合せしておきましょう。
ちなみに、木造住宅の解体によって発生した木材や木屑等は状態が良ければ専門の業者に買い取ってもらうことができますので、着工前に解体業者と相談しておきましょう。
鉄骨造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 3.7万円 |
20〜29坪 | 3.4万円 |
30~39坪 | 3.2万円 |
40~49坪 | 3.0万円 |
50~59坪 | 2.9万円 |
続いて「鉄骨造」の解体費用相場です。「鉄骨造」とは柱や梁などの骨組みに鉄骨を組んで造った建築物のことを言います。解体する建物が2006年以前に建てられている場合、アスベスト(石綿)を含む建材が使用されている可能性があります。
着工前に調査を行うことになりますが、もしアスベストが使用されていた場合、専門資格を有する作業員によって特殊な除去工事を行うことになりますから解体費用にも影響するでしょう。
ちなみに国土交通省では施工実績を調査分析し、アスベスト処理面積が300㎡以下の場合、単価は 2万円/㎡~8.5万円/㎡。300㎡~1,000㎡の場合、単価は1.5万円/㎡~4.5万円/㎡という処理費用の目安を公表しています。アスベストの除去工事は専門性が高い作業ですから経験豊富な解体業者を選んでおくと安心でしょう。
なお、解体によって発生する鉄材や鉄くずに関しても有価物として業者に買い取ってもらうことができますので、解体業者と事前に確認しておきましょう。
RC造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 5.8万円 |
20〜29坪 | 5.2万円 |
30~39坪 | 4.9万円 |
40~49坪 | 4.7万円 |
50~59坪 | 4.6万円 |
最後に「RC造」の解体費用相場です。「RC造」とは柱、梁、床、壁などが鉄筋とコンクリートで作られており、その2つの組み合わせによって強度を増した建築物のことを言います。RC造の建物を解体する場合、騒音や粉塵、振動などによって近隣住民の生活に大きな影響が出ますので、着工前に説明会等を行っておくことをお薦め致します。
近隣対策を安易に考えていると後々トラブルになりかねません。また、先に述べたように地盤の弱い場所にあるRC造の建物の場合、地中杭が多数使用されていることがあります。すべて抜くか残すかで費用が変わって来ますので、その処理に関しては事前に解体業者と打合せしておきましょう。
埼玉県加須市で実際に行われた解体工事の費用事例
建物解体工事以外の案件や飲食店などの内装解体を行いたい方は、前述した費用相場を見てもピンとこないことでしょう。そこで、解体工事見積もり広場へご相談頂き、実際に受注にいたった案件の費用事例を随時ご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
- 埼玉県加須市における解体工事の費用事例は現在作成中となっております。
埼玉県加須市で設備解体工事を依頼する前に知っておくべきこと
店舗やオフィスの設備を解体する工事の総称は内装解体
設備解体工事といっても人それぞれ認識が異なることが多く、業者への見積もり前にあらかじめ理解を深めた上で依頼することが大切です。
ここでは、主に店舗やオフィスで依頼することがある工事の種類や名称、その内容の違いなどについて解説していきます。
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内装解体
内装解体とは、スケルトン工事や原状回復工事の総称です。
具体的には、スケルトン工事や原状回復工事を行う際に、店舗・オフィス内の造作物(厨房設備やカウンターなど入居時になかった物)を解体して撤去する作業のことを言います。
スケルトン解体工事
スケルトン解体工事とは、建物の構造体以外は何もない状態へ戻す工事の名称です。
入居時の内装工事で造作した間仕切りや天井、壁や床などの造作物を全て撤去していきます。鉄筋コンクリート造のビルなどの場合、コンクリート打ちっぱなしの状態と表現されます。
スケルトン工事、スケルトン仕上げ、スケルトン戻し、などと呼ばれることがありますが、そのどれもスケルトン解体工事のことを指しており、意味は同じとなります。
原状回復工事
原状回復工事とは、店舗やオフィスなど物件を借りた際の元々の状態にまで戻し、貸主に返却するために借り主が行う工事です。
物件を借りた時点でスケルトン状態だったのであれば、原状回復工事はスケルトン工事となり、そうでなければ造作物など後から付けたものを撤去する工事となります。
例えば、飲食店など店舗として物件を借りる場合、スケルトン状態で借りていることが多く、オフィスや事務所として借りる場合、スケルトン状態ではないケースが多いでしょう。
※物件を借りた際の契約書に解約時の原状回復工事内容について記載されています。
設備解体工事
設備解体工事とは、一般的に工場などの設備を解体するプラント設備解体工事を指す場合がほとんどです。店舗やテナントの場合、借りた際にはなかった厨房などの設備を解体・撤去する工事の名称としてはあまり使われません。
そのため、飲食店などの店舗を移転・閉店する際に厨房設備などを撤去・解体したいのであれば、多くはスケルトン解体工事を依頼することになるでしょう。
また、飲食店の改装などで現場を解体・撤去してスケルトン状態にするために、消火用設備電源装置などの消防設備工事も必要なケースがあります。そういった場合は消防設備工事業務、整備業務、点検業務も同時に対応可能な解体業者に相談してください。
まずは間違いを起こさないために、賃貸借契約書などで解約時の工事内容について確認した上で、解体業者に見積もりを依頼しましょう。
加須市の空き家の種類と件数
加須市の空き家の現状について政府統計データに基づき分析してみましょう。
加須市の空き家の総数は4,440件です。総住宅数は44,680件ですから空き家率は9.9%となります。なお、空き家というのは誰も住んでいない、住めない家ということではなく、別荘として利用している「2次的住宅」、「賃貸用の住宅」、「売却用の住宅」、この3つに該当しない「その他の住宅」の4つの種類に分類されます。
加須市の空き家4,440件の内訳を見ると、2次的住宅は350件、賃貸用の住宅は1,650件、売却用の住宅は350件、この3つのような利用目的がないその他の住宅に関しては2,100件でした。このデータを見ると、加須市の空き家は「賃貸用の住宅」と利用目的のない「その他の住宅」の2つで大半を占めていることがわかります。
まずは件数が最多の「その他の住宅」について調べてみます。加須市の高齢化率は27.5%と高く、後期高齢者の割合は全体の12%にまで上がっています。その他の住宅2,100件を建て方で分類すると1,680件が一戸建で、長屋建・共同住宅・その他は420件でした。「その他の住宅」の大半が一戸建ての住宅ということになりますが、その要因には「相続」が大きく関係しているのでしょう。
戸建て住宅を相続で引き継いだとしても居住しなければ空き家になります。また、売却もしくは賃貸等で活用できれば良いのですが、その方向性も決まらずただ放置しているだけという住宅が多いのでしょう。加須市の調査によると、市内の空き家のほとんどが居住に問題ないか修繕すれば居住可能な物件ということです。加須市にはただ利用目的を失っているだけの「その他の住宅」が多いことが考えられます。
続いて、賃貸用の住宅に空き家が多い要因を調べてみます。加須市は1972年に加須工業団地が竣工し、東北自動車道が開通してから右肩上がりで人口が増加していきました。その需要に合わせるように宅地開発が進み、市内には集合住宅が多数建てられました。しかしながら2000年頃から人口が減り始め、現在も減り続けている状況です。
それでも市内には新築物件が次々建てられていますから古いアパートを中心に空き家が多くなっているのでしょう。1棟すべてが空き家というアパートもあるようです。都心への交通利便性は悪くありませんが、古い物件には最寄駅から徒歩30分以上かかるものが多く、競争力が弱くなっているのでしょう。
このような状況を踏まえつつ、加須市にある空き家の実情を統計データから分析してみましょう。
「平成25年住宅・土地統計調査」によると、加須市内にある空き家のなかで腐朽・破損がある物件の数は700件でした。空き家の総数が4,440件ですから約6.3件に1件の割合で腐朽・破損があることになります。その内訳を見ると、二次的住宅は20件ですが、賃貸用の住宅は160件で、売却用の住宅は70件、その他の住宅は460件でした。
建て方で分類すると、一戸建が650件で、長屋建・共同住宅・その他に関しては50件でした。このデータを見ると、空き家の総数に比べて腐朽・破損がある住宅の割合は少ないのですが、一戸建に関してはやや多く、650件のうち440件がその他の住宅になっています。
2015年の統計データでは、加須市の世帯数46,157のうち34,094が一戸建に住む世帯でした。また、持家世帯比率は82%と非常に高くなっています。ちなみに、共同住宅に住む世帯の数は6,046ですから、大きな差があることがわかります。そうなると、一戸建の住宅に空き家が多いのは当然と言えるかも知れません。
持ち家率が高いため、「相続」で一戸建の住宅を引き継ぐことが多いのでしょう。しかしながら、居住せず適正に管理されていなければ老朽化が進んでしまいます。とは言え相続人が遠方に住んでいる場合は空き家の管理が難しいでしょう。
加須市では、空き家の適正管理を推進するべく、公益社団法人加須市シルバー人材センターと「空家等の適正管理に関する協定」を締結しました。空き家の所有者から管理業務の相談を受けたときは、公益社団法人シルバー人材センターとの契約が円滑に締結できるよう、加須市が取り次ぎを行っています。詳しい業務内容に関しては加須市役所の環境安全部 交通防犯課にお問い合わせください。
また、加須市では空き家の有効活用を通して空き家の発生増加を抑制するとともに、定住促進及び地域の活性化を図ることを目的とした「空き家バンク」を運営しています。空き家の売却や賃貸を希望する所有者等と空き家を利用したい方をつなげるシステムですが、老朽、損傷等が著しい空き家に関しては登録することができません。
そのほか、加須市には当該家屋または取壊し後の土地を譲渡した場合に、その譲渡所得から3,000万円が特別控除される「空き家の発生を抑制するための特例措置」が設けられています。空き家の売却もしくは解体した跡地の売却を検討している方は要件を満たすかどうか行政に確認してみると良いでしょう。ちなみに、加須市の2019年の公示地価を調べると平均36,816円/㎡で、変動率は+0.31%でした。老朽化し、利用目的のない空き家を所有する方は、思い切って解体し、跡地を売却することも選択肢の一つです。
加須市では市民や空き家の所有者からの様々な空き家に関する相談について、窓口を一元化(本庁…交通防犯課、各総合支所…環境経済課)し、関係部署と連携した相談対応を行行っています。空き家についてお悩みの方は一度相談してみると良いでしょう。
まとめ:加須市の家・空き家の解体は地元の解体業者に相談を
加須市では持ち家率の高さもあって一戸建の住宅に空き家が多くなっています。高齢化率も高い状態ですから今後も「相続」によって発生する空き家が増える可能性があります。
加須市では空き家バンクを運営するなど空き家の利活用に力を入れ、U・Iターン者の増加にもつながるよう体制を整えていますが、現状においては修繕の必要もないのに利用されていない空き家が多くなっています。
とは言え加須市の人口は減少傾向にありますから、空き家の売却や賃貸等での利活用もなかなか難しいのでしょう。それでも所有している限り固定資産税等の経済的な負担はかかり続けます。将来的に居住の予定がなく、古くて売却することも難しい空き家を所有している方は、思い切って解体し、跡地を売却することを検討してみてはいかがでしょうか。
解体すると決めたならば、行政の制度や加須市特有の環境に詳しい地元の業者を選びましょう。