埼玉県春日部市の解体工事業者一覧と費用相場について解説

埼玉県春日部市

春日部市の解体工事を巡る状況

春日部市は埼玉県の東部に位置する人口約23万人の市です。江戸時代に日光街道の宿場町として栄えた歴史ある街で、1954年の町村合併によって現在の春日部市となりました。東京都心部まで約35km圏の春日部市は高度経済成長期に人口が急増し、ベッドタウンとして発展していきました。

春日部市は「クレヨンしんちゃん」の舞台として有名ですが、市内には名勝・旧跡も多数あり、大凧あげ祭りなどの伝統行事も多数行われています。また、市街地には大型商業施設が多く郊外都市として発展していますが、それ以外のエリアには水田が広がる長閑な地域もあり、自然と都市機能が上手く調和している住みやすい街です。

春日部市の住宅事情を調べると、春日部駅周辺には高層マンションが増えており、現在建設中のレジデンスマンションもあります。また、戸建て分譲住宅も多数紹介されており、価格帯は2,000万円~4,000万円と幅広いのですが、比較的手頃な物件も見つかります。

賃貸情報を見ると、こちらも新築物件が豊富なのですが、築30年以上のアパート等が多数紹介されており、総じて物件数が非常に多いようです。春日部市は1970年代に人口が激増したため当時建てられた住宅が多く、現在市内には老朽化した空き家が増加しています。

春日部市では空き家に関する基本的な方針を示した「春日部市空家等対策計画」を策定しています。また、関係団体と「特定空家等」の発生予防、空家等の利活用の促進、その他市内の空家等の総合的な対策を推進することを目的とする協定を締結しています。

ここからは、春日部市の解体工事の現状を紹介し、解体工事費用の相場、解体工事を依頼する上で留意するべき点などを紹介していきます。

春日部市の解体工事費の相場(平均坪単価)

解体工事は「木造」「鉄骨造」「RC造」の3種類に大きく分類されます。建物の構造で解体工事費の相場は大きく異なりますが、立地環境によっても差が出ます。春日部市は埼玉県東部の中心都市として早くから発展した街です。市内には古い住宅が多く、老朽化が深刻なアパート等も複数見られます。

そういった住宅を解体するとなると、倒壊の危険性が高いため慎重な手壊し作業となります。大型重機で一気に解体できないと工期が長くなり、人手や手間も余計にかかるため費用にも影響するでしょう。これから紹介する解体工事費の相場についてはあくまでも見積りを取る際の一つの目安とお考えください。

ここからは、3つの分類ごとの春日部市の解体工事の相場(平均坪単価)を紹介していきます。

木造の解体費用相場

坪数 坪単価
10〜19坪 3.4万円
20〜29坪 3.1万円
30~39坪 2.9万円
40~49坪 2.8万円
50~59坪 2.7万円

まず「木造」の解体費用相場です。「木造」というのは主要構造部分に木材を使用した建築物のことを言います。春日部市における木造建物の解体費用相場は、一般的な規模の30〜39坪で坪単価2.9万円ですから比較的低い方ですが、個別の条件によってトータルの費用に差が出るでしょう。

解体する住宅のなかに家具等の残存物がある場合、それらの処分が問題となりやすく、木材製品であれば解体業者が廃材とともに回収してくれることがありますが、家電等はなかなか難しいでしょう。解体を依頼する際にはできるだけ住宅内を片付け、廃棄する家電等に関してはご自身で処分しておくことをお薦め致します。ただし、解体業者によってはそういった残存物も合わせて処理してくれるところがありますので、見積り依頼時に相談してみると良いでしょう。

ちなみに、木造住宅の解体によって発生した木材や木屑等は状態が良ければ専門の業者に買い取ってもらうことができますので、着工前に解体業者と相談しておきましょう。

鉄骨造の解体費用相場

坪数 坪単価
10〜19坪 3.7万円
20〜29坪 3.4万円
30~39坪 3.2万円
40~49坪 3.0万円
50~59坪 2.9万円

続いて「鉄骨造」の解体費用相場です。鉄骨造には重量鉄骨造と軽量鉄骨造の2種類がありますが、同じ鉄骨造でも重量鉄骨造の方が解体に手間と時間がかかりますのでその分費用が割高になります。また、2006年以前に建てられた住宅であれば、アスベスト(石綿)を含む建材が使用されている可能性があり、アスベストの除去工事が加わるとその費用がかかって来ます。

アスベストに関しては専門の資格者によって特殊な除去工事を行う必要があるのです。ちなみに国土交通省では施工実績を調査分析し、アスベスト処理面積が300㎡以下の場合、単価は 2万円/㎡~8.5万円/㎡。300㎡~1,000㎡の場合、単価は1.5万円/㎡~4.5万円/㎡という処理費用の目安を公表しています。費用的な負担は大きいのですが、アスベストの除去に関しては行政によって厳密な作業基準が定められており、安全に工事を進めなくてはいけませんので、経験が豊富で信頼できる解体業者を選んでおきましょう。

なお、解体によって発生する鉄材や鉄くずに関しても有価物として業者に買い取ってもらうことができますので、解体業者と事前に確認しておきましょう。

RC造の解体費用相場

坪数 坪単価
10〜19坪 5.8万円
20〜29坪 5.2万円
30~39坪 4.9万円
40~49坪 4.7万円
50~59坪 4.6万円

最後に「RC造」の解体費用相場です。「RC造」とは柱、梁、床、壁などが鉄筋とコンクリートで作られており、その2つの組み合わせによって強度を増した建築物のことを言います。RC造の建物は頑丈な造りですから解体工事の規模はかなり大きくなります。

また、複雑な工程を要しますから工期も長くなります。さらに注意しなければならないのが、コンクリートを破壊する際に発生する騒音や粉塵、振動などの問題です。近隣住民の生活に大きな影響を与えますので、工事を始める前にしっかり説明等を行っておくことをお薦め致します。近隣トラブルとなって工事が中断してしまうと最悪の場合費用にも影響してしまうでしょう。

埼玉県春日部市で実際に行われた解体工事の費用事例

建物解体工事以外の案件や飲食店などの内装解体を行いたい方は、前述した費用相場を見てもピンとこないことでしょう。そこで、解体工事見積もり広場へご相談頂き、実際に受注にいたった案件の費用事例を随時ご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。

  • 埼玉県春日部市における解体工事の費用事例は現在作成中となっております。

埼玉県春日部市で設備解体工事を依頼する前に知っておくべきこと

店舗やオフィスの設備を解体する工事の総称は内装解体

設備解体工事といっても人それぞれ認識が異なることが多く、業者への見積もり前にあらかじめ理解を深めた上で依頼することが大切です。

ここでは、主に店舗やオフィスで依頼することがある工事の種類や名称、その内容の違いなどについて解説していきます。

内装解体とスケルトン工事・原状回復工事・設備解体工事の相関図
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内装解体

内装解体とは、スケルトン工事や原状回復工事の総称です。

具体的には、スケルトン工事や原状回復工事を行う際に、店舗・オフィス内の造作物(厨房設備やカウンターなど入居時になかった物)を解体して撤去する作業のことを言います。

スケルトン解体工事

スケルトン解体工事とは、建物の構造体以外は何もない状態へ戻す工事の名称です。

入居時の内装工事で造作した間仕切りや天井、壁や床などの造作物を全て撤去していきます。鉄筋コンクリート造のビルなどの場合、コンクリート打ちっぱなしの状態と表現されます。

スケルトン工事、スケルトン仕上げ、スケルトン戻し、などと呼ばれることがありますが、そのどれもスケルトン解体工事のことを指しており、意味は同じとなります。

原状回復工事

原状回復工事とは、店舗やオフィスなど物件を借りた際の元々の状態にまで戻し、貸主に返却するために借り主が行う工事です。

物件を借りた時点でスケルトン状態だったのであれば、原状回復工事はスケルトン工事となり、そうでなければ造作物など後から付けたものを撤去する工事となります。

例えば、飲食店など店舗として物件を借りる場合、スケルトン状態で借りていることが多く、オフィスや事務所として借りる場合、スケルトン状態ではないケースが多いでしょう。

※物件を借りた際の契約書に解約時の原状回復工事内容について記載されています。

設備解体工事

設備解体工事とは、一般的に工場などの設備を解体するプラント設備解体工事を指す場合がほとんどです。店舗やテナントの場合、借りた際にはなかった厨房などの設備を解体・撤去する工事の名称としてはあまり使われません。

そのため、飲食店などの店舗を移転・閉店する際に厨房設備などを撤去・解体したいのであれば、多くはスケルトン解体工事を依頼することになるでしょう。

また、飲食店の改装などで現場を解体・撤去してスケルトン状態にするために、消火用設備電源装置などの消防設備工事も必要なケースがあります。そういった場合は消防設備工事業務、整備業務、点検業務も同時に対応可能な解体業者に相談してください。

まずは間違いを起こさないために、賃貸借契約書などで解約時の工事内容について確認した上で、解体業者に見積もりを依頼しましょう。

春日部市の空き家の種類と件数

春日部市の空き家の現状について政府統計データに基づき分析してみましょう。

春日部市の空き家の総数は11,020件です。総住宅数は104,820件ですから空き家率は10.5%となります。なお、空き家というのは誰も住んでいない、住めない家ということではなく、別荘として利用している「2次的住宅」、「賃貸用の住宅」、「売却用の住宅」、この3つに該当しない「その他の住宅」の4つの種類に分類されます。

春日部市の空き家11,020件の内訳を見ると、2次的住宅は460件、賃貸用の住宅は6,690件、売却用の住宅は620件、この3つのような利用目的がないその他の住宅に関しては3,250件でした。このデータを見ると、春日部市の空き家には「賃貸用の住宅」が最も多いのですが、利用目的のない「その他の住宅」に関してもかなりの数があるようです。

まずは件数が最も多い賃貸用の住宅について調べてみます。春日部市は1970年代に人口が激増した街です。ピーク時には42.9%という人口増加率ですから、需要の高まりに合わせるように賃貸用の住宅も急増していきました。しかしながら現在空き家状態の物件が多くなっている状況です。

賃貸情報を見ると築30年以上の物件が多数あるのですが、新築物件も同じように多く、全体として物件数がかなり多いことがわかります。しかしながら、春日部市の人口動態を見ると2000年をピークとして現在は減少に転じており、減少率が年々高くなっています。同時に高齢化も進行していますから、賃貸用の住宅に対する需要は弱まっているでしょう。住宅の数と借りたい人の数が見合ってなければ空き家が多くなるのは当然のことです。

続いて、「その他の住宅」が多い要因を調べてみます。春日部市では空き家総数11,020件のうち3,250件がその他の住宅ですが、建て方で分類すると2,110件が一戸建でした。一戸建の住宅が空き家となる要因には「相続」が大きく関係しています。親族等から相続によって引き継いだとしても居住せず、賃貸等で活用していなければ利用目的のない空き家になってしまいます。

春日部市の高齢化率は年々高くなっており、高齢者だけの世帯も増えています。また、春日部市ではここ数年の動きとして若年層の転出の多さが目立っていますから、相続されたものの居住者のいない戸建て住宅が増える傾向にあるのでしょう。結果として利用目的のない「その他の住宅」が多くなっています。

このような状況を踏まえつつ、春日部市にある空き家の実情を統計データから分析してみましょう。

「平成25年住宅・土地統計調査」によると、春日部市内にある空き家のなかで腐朽・破損がある物件の数は2,550件でした。空き家の総数が11,020件ですから約4.3件に1件の割合で腐朽・破損があることになります。その内訳を見ると、二次的住宅は50件ですが、賃貸用の住宅は1,480件で、売却用の住宅は100件、その他の住宅は910件でした。

建て方で分類すると、一戸建が1,000件、長屋建・共同住宅・その他に関しては1,550件です。春日部市では空き家の総数に対して腐朽・破損がある住宅の割合はさほど高くありませんが、その大半が賃貸用の住宅という状況です。

春日部市では、賃貸用の住宅に空き家が多いのですが、腐朽・破損がある住宅の割合もそれに比例して賃貸用の住宅が大半を占めています。建て方で分類しても長屋建・共同住宅・その他が多いことから、アパートやマンション等に老朽化した物件が多数あることがわかります。

先に述べたように春日部市には築年数の古い賃貸物件が非常に多く、長年空き家状態のままとなっている物件も少なくないようです。一方で市内には新築物件が続々と登場していますから、古いアパート等は競争力がますます弱くなるでしょう。空き家状態の期間が長くなればさらに腐朽・破損が進んでしまいます。

違った観点で見ると、市内には3,070件の一戸建の空き家がありますが、腐朽・破損ありは1,000件です。前述のように一戸建の空き家には「その他の住宅」に分類されているものが多いのですが、腐朽・破損がある住宅はそれほど多くありません。これらのデータを見ると、春日部市には腐朽や破損がないにもかかわらず利活用されていない戸建て住宅が多いように思われます。

春日部市では、そういった売却もしくは賃貸等の利活用が可能な空き家を「空き家バンク」に登録し、「空き家を売りたい・貸したい所有者」と、「空き家を買いたい・借りたい利用希望者」とのマッチングを図っています。登録料は無料です。

春日部市では「空き家リノベーションまちづくり事業」が展開されており、店舗を含む市内の戸建て住宅を対象とする「空き家リノベーション助成金制度」を設けています。内装や外壁の改修、耐震改修工事などの費用の一部(最大60万円)を助成する制度で、「定住促進事業上乗せ助成」の対象となれば購入者に最大60万円(商品券)の助成が加算されます。詳しくは春日部市役所にお問い合わせください。

また、空き家の発生を抑制するための特例措置として、被相続人が居住していた家屋を相続した相続人が、当該家屋または取壊し後の土地を譲渡した場合、その譲渡所得から3,000万円を特別控除できる制度がありますので、空き家の売却もしくは解体した跡地の売却を検討している方は行政に問い合わせてみると良いでしょう。

ちなみに、春日部市の2019年の公示地価を調べると平均93,886円/㎡で、変動率は+0.36%でした。ただし、市域の一部では地価が下降しています。腐朽・破損が深刻で利活用が困難な空き家に関しては、早急に解体して跡地を売却することを検討してはいかがでしょうか。

春日部市では「空家等総合窓口」を住宅政策課に開設し、空き家に関する様々な相談を受け付けています。また、春日部市では埼玉建築士会および埼玉県建築士事務所協会の協力のもと、「住宅耐震診断・建物無料相談会」を定期的に実施しています。相談会では耐震診断・耐震改修のほか、建て替えやリフォームなどの相談も受け付けていますので、古い住宅を解体し、建て替えることを検討している方は一度参加してみると良いでしょう。

ほかにも春日部市には「マイホーム借り上げ制度」等の支援策があるほか、空き家所有者に対する啓発活動を通じて空き家の適正管理、空き家の利活用を推進しています。相続等で住宅を引き継いだものの管理に困っている方、空き家を貸したいが方法がわからない方、空き家のリフォームを考えている方など、空き家に関する悩みをお持ちの方は一度行政に相談してみると良いでしょう。

まとめ:春日部市の家・空き家の解体は地元の解体業者に相談を

春日部市は東京都心部へのアクセスの良さからベッドタウンとして発展していますが、近年は人口が減り続けており、市内には空き家物件が増加しています。特に賃貸用の住宅に空き家が多いのですが、今後高齢化が進むことで戸建て住宅に関しても空き家がさらに多くなると予想されています。

春日部市では「空き家バンク制度」や「空き家リノベーション助成制度」などによって空き家の利活用を推進していますが、老朽化が激しい住宅に関しては売却もしくは賃貸での利活用が難しいでしょう。適正管理ができていなければ市民の生活環境に悪影響を及ぼす「特定空家等」になってしまいます。

住宅というのは居住者がいない期間が長くなるほど腐朽していくものです。それでも固定資産税などの経済的な負担はかかり続けますから、修繕等の予定がないのであれば思い切って解体して建て替えるか、跡地を売却することを検討してはいかがでしょうか。

解体すると決めたならば、行政の制度や春日部市特有の環境に詳しい地元の業者を選びましょう。

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