埼玉県深谷市の解体工事業者一覧と費用相場について解説
深谷市の解体工事を巡る状況
深谷市は埼玉県の北部に位置する人口約14.2万人の市です。近代日本経済の基礎を築いた渋沢栄一生誕の地として知られる深谷市は、工業と農業がともに発展している街です。
深谷市というと「深谷ねぎ」を思い浮かべる人も多いと思いますが、2015年の農業産出額(推計)は県内第1位の約349億円となっており、野菜のほかに卵、花卉などの生産が盛んで、都市近郊農業都市として発展しています。日本煉瓦製造株式会社の旧煉瓦製造施設等の重要文化財を有する深谷市では、「渋沢栄一の顕彰とレンガを活かしたまちづくり」事業を推進しており、「レンガのまち深谷」らしい落ち着いた温かみのある景観づくりに尽力しています。
深谷市の住宅事情を調べると、新築マンションはほとんどありませんが、分譲戸建て住宅に関しては多数紹介されており、市内各地に新興住宅地が増えています。賃貸情報を見ると新築のアパート等が数多く紹介されていますが、それ以上に築年数の古い物件が多く、築30年以上のアパートも珍しくありません。また、物件の数自体がかなり多いように思われます。深谷市においては空き家が年々増加している状況で、市内には長年空き家状態の住宅が多数あるようです。
深谷市では、空き家対策を総合的かつ計画的に推進するため、「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づき、「深谷市空家等対策計画」を策定しています。計画期間は2018年~2022年までとなっており、空き家発生の抑制、空き家の適正管理、空き家の有効活用の促進のほか、著しく管理不全な空き家の解消に向けた取り組みを推進することを基本方針としています。
ここからは、深谷市の解体工事の現状を紹介し、解体工事費用の相場、解体工事を依頼する上で留意するべき点などを紹介していきます。
深谷市の解体工事費の相場(平均坪単価)
解体工事は「木造」「鉄骨造」「RC造」の3種類に大きく分類されます。建物の構造で解体工事費の相場は大きく異なりますが、立地環境や個別の条件によっても差が出ます。深谷市は農業が盛んな土地です。敷地内に作業小屋や倉などが建っている古くからの農家も多いのですが、そういった住宅を解体するとなると木造住宅であったとしても工事が大掛かりになるでしょう。
個別の条件ですが、大黒柱や丈夫な梁を再利用したいという申し出がある場合は大型重機で一気に解体することができません。解体工事においては所有者それぞれの細かい要望もあるでしょうから、これから紹介する解体工事費の相場についてはあくまでも見積りを取る際の一つの目安とお考えください。
ここからは、3つの分類ごとの深谷市の解体工事の相場(平均坪単価)を紹介していきます。
木造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 3.0万円 |
20〜29坪 | 2.7万円 |
30~39坪 | 2.6万円 |
40~49坪 | 2.5万円 |
50~59坪 | 2.4万円 |
まず「木造」の解体費用相場です。「木造」というのは主要構造部分に木材を使用した建築物のことを言います。深谷市における木造建物の解体費用相場は、一般的な規模の30〜39坪で坪単価2.6万円ですから埼玉県のなかでは低い方です。ただし、住宅それぞれの環境や状態によってトータルの費用は違ってくるでしょう。
老朽化が激しい木造住宅を解体する場合、シロアリが発生していることが多いのですが、シロアリは解体作業を始める前に駆除しておく必要があります。ちなみに、シロアリ駆除を業者に依頼した場合の費用相場は、坪単価あたり7~9千円です。また、解体する建物の腐朽が激しい場合、倒壊させないために手壊しの作業が多くなりますので、工期や費用に影響するでしょう。
ちなみに、木造住宅の解体によって発生した木材や木屑等は状態が良ければ専門の業者に買い取ってもらうことができますので、着工前に解体業者と相談しておきましょう。
鉄骨造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 3.3万円 |
20〜29坪 | 3.0万円 |
30~39坪 | 2.8万円 |
40~49坪 | 2.7万円 |
50~59坪 | 2.6万円 |
続いて「鉄骨造」の解体費用相場です。鉄骨造の建物を解体する場合、木造よりも工事の規模が大きくなり、解体した鉄材等の搬出においては大型重機や大型車両が必要になります。また、2006年以前に建てられた住宅であれば、アスベスト(石綿)を含む建材が使用されている可能性がありますので、事前に調査を行わなければいけません。
もし使用されていた場合は専門の資格者によって除去工事を行う必要があります。アスベストの除去工事については費用面だけでなく安全性を重視して業者を選んだ方が良いでしょう。工事中に健康被害を及ぼすようなアスベストの飛散事故を起こしては元も子もありません。
なお、解体によって発生する鉄材や鉄くずに関しても有価物として業者に買い取ってもらうことができますので、解体業者と事前に確認しておきましょう。
RC造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 5.1万円 |
20〜29坪 | 4.7万円 |
30~39坪 | 4.4万円 |
40~49坪 | 4.2万円 |
50~59坪 | 4.1万円 |
最後に「RC造」の解体費用相場です。「RC造」とは柱、梁、床、壁などが鉄筋とコンクリートで作られており、その2つの組み合わせによって強度を増した建築物のことを言います。RC造の建物は頑丈な造りですから解体するとなると工事がかなり大規模になります。
工事期間中には騒音や粉塵、振動などの問題が避けられませんから近隣住民への対応を事前にしっかり行っておく必要があります。また、工事が大規模なため安全管理も重要です。近年、足場やコンクリート魂の落下事故が全国各地で報じられています。解体業者を選ぶ際には、安全管理が厳しく徹底できる実績のある業者を選ぶことをお薦め致します。
埼玉県深谷市で実際に行われた解体工事の費用事例
建物解体工事以外の案件や飲食店などの内装解体を行いたい方は、前述した費用相場を見てもピンとこないことでしょう。そこで、解体工事見積もり広場へご相談頂き、実際に受注にいたった案件の費用事例を随時ご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
- 埼玉県深谷市における解体工事の費用事例は現在作成中となっております。
埼玉県深谷市で設備解体工事を依頼する前に知っておくべきこと
店舗やオフィスの設備を解体する工事の総称は内装解体
設備解体工事といっても人それぞれ認識が異なることが多く、業者への見積もり前にあらかじめ理解を深めた上で依頼することが大切です。
ここでは、主に店舗やオフィスで依頼することがある工事の種類や名称、その内容の違いなどについて解説していきます。
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内装解体
内装解体とは、スケルトン工事や原状回復工事の総称です。
具体的には、スケルトン工事や原状回復工事を行う際に、店舗・オフィス内の造作物(厨房設備やカウンターなど入居時になかった物)を解体して撤去する作業のことを言います。
スケルトン解体工事
スケルトン解体工事とは、建物の構造体以外は何もない状態へ戻す工事の名称です。
入居時の内装工事で造作した間仕切りや天井、壁や床などの造作物を全て撤去していきます。鉄筋コンクリート造のビルなどの場合、コンクリート打ちっぱなしの状態と表現されます。
スケルトン工事、スケルトン仕上げ、スケルトン戻し、などと呼ばれることがありますが、そのどれもスケルトン解体工事のことを指しており、意味は同じとなります。
原状回復工事
原状回復工事とは、店舗やオフィスなど物件を借りた際の元々の状態にまで戻し、貸主に返却するために借り主が行う工事です。
物件を借りた時点でスケルトン状態だったのであれば、原状回復工事はスケルトン工事となり、そうでなければ造作物など後から付けたものを撤去する工事となります。
例えば、飲食店など店舗として物件を借りる場合、スケルトン状態で借りていることが多く、オフィスや事務所として借りる場合、スケルトン状態ではないケースが多いでしょう。
※物件を借りた際の契約書に解約時の原状回復工事内容について記載されています。
設備解体工事
設備解体工事とは、一般的に工場などの設備を解体するプラント設備解体工事を指す場合がほとんどです。店舗やテナントの場合、借りた際にはなかった厨房などの設備を解体・撤去する工事の名称としてはあまり使われません。
そのため、飲食店などの店舗を移転・閉店する際に厨房設備などを撤去・解体したいのであれば、多くはスケルトン解体工事を依頼することになるでしょう。
また、飲食店の改装などで現場を解体・撤去してスケルトン状態にするために、消火用設備電源装置などの消防設備工事も必要なケースがあります。そういった場合は消防設備工事業務、整備業務、点検業務も同時に対応可能な解体業者に相談してください。
まずは間違いを起こさないために、賃貸借契約書などで解約時の工事内容について確認した上で、解体業者に見積もりを依頼しましょう。
深谷市の空き家の種類と件数
深谷市の空き家の現状について政府統計データ(2013年)に基づき分析してみましょう。
深谷市の空き家の総数は8,320件です。総住宅数は60,460件ですから空き家率は13.8%になります。2008年の空き家率は9.1%でしたから、深谷市の空き家率はここ数年で4.7%も上昇しています。なお、空き家というのは誰も住んでいない、住めない家ということではなく、別荘として利用している「2次的住宅」、「賃貸用の住宅」、「売却用の住宅」、この3つに該当しない「その他の住宅」の4つの種類に分類されます。
深谷市の空き家8,320件の内訳を見ると、2次的住宅は250件、賃貸用の住宅は3,660件、売却用の住宅は310件、この3つのような利用目的がないその他の住宅に関しては4,100件でした。このデータを見ると、深谷市の空き家は「賃貸用の住宅」と利用目的のない「その他の住宅」の2つで大半を占めていることがわかります。
まずは深谷市の空き家に賃貸用の住宅が多い要因について調べてみます。深谷市では工業団地が造成されたことがきっかけとなって高度経済成長期に人口が急増しました。人口の増加に合わせて市内には賃貸用の住宅が次々と建てられて行きましたが、現在市の人口は減少傾向となっており、賃貸用の住宅への需要は弱まっています。
しかしながら今でも毎年のように新たな賃貸物件が登場しており、住宅の供給量と需要が見合っていない状態です。大型マンションなどは建てられていませんが、2階建てのアパート等の小規模な賃貸物件が続々と完成していますから、古いアパート等を中心に空き家が多くなっている状況です。
続いて、最も件数が多い「その他の住宅」について調べてみます。深谷市では空き家総数8,320件のうち約半数の4,100件がその他の住宅です。建て方で分類すると3,120件が一戸建で、残りの980件が共同住宅等でしたから、その他の住宅の大半が一戸建ということなのです。深谷市の調査データによると、一戸建の割合は全体の80.8%と非常に高く、持ち家率も77.9%という高さです。こういった背景も「その他の住宅」に一戸建が多くなる要因の1つでしょう。
また、一戸建の住宅が利用目的のない「その他の住宅」になる要因としては「相続」が大きいのですが、親族等から引き継いだものの居住せず、売却するか賃貸等で活用していなければ利用目的を失った状態になります。
深谷市においては賃貸用の住宅と売却用の住宅の空き家数は減少傾向にありますが、その他の住宅に関しては高齢化の影響もあって2008年から2013年までの5年間で約2.6倍にまで増加しています。旧耐震基準(昭和56年)以前に建築された住宅も一定量ありますから、老朽化し居住できない状態になっている「その他の住宅」もあるのでしょう。
このような状況を踏まえつつ、深谷市にある空き家の実情を統計データから分析してみましょう。
「平成25年住宅・土地統計調査」によると、深谷市内にある空き家のなかで腐朽・破損がある物件の数は1,350件でした。空き家の総数が8,320件ですから約6.2件に1件の割合で腐朽・破損があることになります。その内訳を見ると、二次的住宅と売却用の住宅は0件ですが、賃貸用の住宅は320件で、その他の住宅は1,030件でした。
建て方で分類すると、一戸建が980件、長屋建・共同住宅・その他に関しては370件です。深谷市では空き家の総数に対して腐朽・破損がある住宅の割合は低めなのですが、空き家全体の傾向と同じくその他の住宅の数が最多となっています。
深谷市には「その他の住宅」に分類される空き家が多いのですが、そのなかで腐朽・破損があるのは約1/4の1,030件です。また、1,030件のうち910件が一戸建となっています。なお、賃貸用の住宅に関しては腐朽・破損がある空き家の数はそれほど多くありません。深谷市においては賃貸用の住宅が供給過多の状態ですが、管理が行き届かず老朽化が深刻な空き家は少ないのでしょう。
一方、一戸建の住宅に関しては空き家数4,040件の約1/4が腐朽・破損ありです。先に触れたように、一戸建の住宅が空き家となる大きな要因として「相続」がありますが、住む人がいないまま適正管理ができていなければ腐朽が進んでしまいます。相続人が遠方に住んでいる場合定期的に清掃等を行うことは難しいでしょうから、風雪で家屋は傷み、庭は荒れ放題になってしまうでしょう。
深谷市では、市内の空き家をデータベース化し、実態調査を行ったうえで「危険A判定」「やや危険B判定」「危険でないC判定」の3ランクに分類しています。市内には管理不全になりやすい「その他の住宅」の空き家が急激に増加していますが、市民から寄せられる空き家に関する相談や苦情に関しても非常に多くなっています。雑草繁茂、害虫発生等についての苦情等が最も多いのですが、老朽化し、危険な空き家に対する相談も少なくありません。
深谷市では空き家総合相談窓口を協働推進部自治振興課に一本化し、相談内容によって庁内関係部署と調整を行うほか、不動産関係団体等と連携し、空き家の所有者が抱える住宅の諸問題に対応するための「空き家総合相談会」を運営しています。そのほか深谷市では空き家に関係する様々な助成制度を紹介するだけでなく、空き家の適正管理をサポートする(公社)シルバー人材センターや民間事業者等の空き家管理サービスについても所有者等に紹介しています。
また、深谷市では「空き家バンク」を充分に活用するため、「深谷市空き家利活用ネットワーク制度」を設けています。市から空き家の所有者に相談窓口の案内を通知するほか、空き家を利用したい方に向けて空き家の情報をメール配信するなど、積極的に空き家の利活用を推進しています。腐朽・破損が著しい状態の空き家に関しては売却もしくは賃貸等での利活用は難しいですが、そうでない場合は一度行政に相談してみると良いでしょう。
所有する住宅がやむなく空き家状態となっている方は、できる限り早く何らかの対応を取るべきでしょう。居住可能な状態であれば「空き家バンク」の活用をお薦めしますが、腐朽・破損があり、将来的にも修繕の予定がないのであれば、近隣住民に迷惑をかける前に思い切って解体することを検討してはいかがでしょうか。
深谷市では、空き家の除却や利活用を促すべく、金融機関が取り扱う「空き家対策ローン」を紹介し、空き家の所有者の経済的な負担の軽減を図っています。また、解体後の跡地の活用についても、地域コミュニティや関連する団体等と連携し、地域の憩いの場や防災空き地などで有効活用できるような仕組みを検討しています。
ちなみに、深谷市の2019年の公示地価を調べると平均40,770円/㎡で、変動率は-0.15%でした。深谷駅や籠原駅、武川駅周辺には地価が上昇しているところもありますが、全体として見ると地価が下がっている状況です。老朽化して利活用が難しい空き家を所有する方は、思い切って解体し、早めに跡地を売却する方が得策かもしれません。
空き家の発生を抑制するための特例措置として、被相続人が居住していた家屋を相続した相続人が、当該家屋または取壊し後の土地を譲渡した場合には、その譲渡所得から3,000万円を特別控除できる制度があります。所有する空き家の売却もしくは解体した跡地の売却を検討している方は、必ず行政にお問い合わせください。
まとめ:深谷市の家・空き家の解体は地元の解体業者に相談を
深谷市では空き家対策を推進していくため各地域の自治会等と協力し、空き家の実態把握に努め、それぞれに適した対応策を進めるべく体制を整えています。深谷市の空き家率は年々上昇していますが、特に一戸建住宅の空き家が増えており、利用目的を失った「その他の住宅」は急速に増加しています。
住宅というのは住む人がいない期間が長くなるほど腐朽が進むものです。それでも所有している以上は管理責任がありますし、固定資産税などの経済的な負担もかかります。深谷市は空き家の利活用に関する取り組みに力を入れていますが、居住困難な空き家であれば利活用することはできないでしょう。
解体後の跡地の活用についても相談可能ですから、空き家についてお悩みの方は、行政のサービスを利用するなどして早めに何らかの決断をした方が良いでしょう。
解体すると決めたならば、行政の制度や深谷市特有の環境に詳しい地元の業者を選びましょう。