埼玉県上尾市の解体工事業者一覧と費用相場について解説
上尾市の解体工事を巡る状況
上尾市は埼玉県の東部に位置する人口約22.5万人の市です。江戸時代には旧中山道の宿場町として栄え、明治期には上尾駅が開業するなど早くから交通の要衝として発展していました。国道17号が開通してからは市街地が拡大し、東京郊外の住宅地として発展するとともに、1960年代からは工場が増え、人口も急増しました。
上尾市は江戸時代から続く農業が盛んな土地ですが、日産ディーゼルやブリヂストンサイクル、UDトラックスなど輸送用機器の製造拠点も多く、上尾領家工業団地には多数の工場が立地しています。上尾市は工業都市という一面を持っていますが、市内には農地のほかに「藤波・中分ふるさとの緑の景観地」のような保存緑地もあり、緑豊かな環境が魅力です。
上尾市の住宅事情を調べると、JR高崎線の駅周辺にはレジデンスタイプの高級マンションが次々と建てられており、分譲戸建て住宅に関しても多数売りに出されています。賃貸情報を見てみると、こちらも新築物件の情報が豊富で、単身者向けからファミリー向けまで幅広く紹介されていました。
しかし一方で築30年前後の物件も多数あり、全体として物件数が非常に多いことがわかります。また、上尾市には高度経済成長期に造成された大規模団地が多く、UR都市機構によってリノベーションされた賃貸物件も数多く紹介されていました。上尾市は豊かな緑が魅力の住みやすい街ですが、市内には空き家が多い状況で、空き家対策が急務となっています。
上尾市では、空き家等に関する対策を総合的・計画的に推進するため、「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づき、「上尾市空家等対策計画」を策定しています。空家等に関する対策においては、早期発見・早期対応の仕組みづくり・安全・安心の確立及び良好な生活環境の保全・建物の継続利用・再構築の推進及び住み替えの促進・総合的な対策に向けた庁内、関係団体等との連携強化を4つの柱としています。
ここからは、上尾市の解体工事の現状を紹介し、解体工事費用の相場、解体工事を依頼する上で留意するべき点などを紹介していきます。
上尾市の解体工事費の相場(平均坪単価)
解体工事は「木造」「鉄骨造」「RC造」の3種類に大きく分類されます。建物の構造で解体工事費の相場は大きく異なりますが、立地環境によっても差が出ます。上尾市は工業住宅都市として発展していますが、市内には農地も多く、築年数が相当古い住宅も残っています。腐朽が激しい住宅を解体する場合、より慎重に解体工事を行う必要があります。
また、幅の狭い道沿いに立地する場合は廃材の運搬に時間がかかってしまうでしょう。シロアリ駆除やアスベスト除去等の個別の条件が加わるとその費用が追加になりますから、これから紹介する解体工事費の相場についてはあくまでも見積りを取る際の一つの目安とお考えください。
ここからは、3つの分類ごとの上尾市の解体工事の相場(平均坪単価)を紹介していきます。
木造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 3.4万円 |
20〜29坪 | 3.1万円 |
30~39坪 | 2.9万円 |
40~49坪 | 2.8万円 |
50~59坪 | 2.7万円 |
まず「木造」の解体費用相場です。「木造」というのは主要構造部分に木材を使用した建築物のことを言います。上尾市における木造建物の解体費用相場は、一般的な規模の30〜39坪で坪単価2.9万円ですが、住宅の立地環境や個別の条件によってトータルの費用は違ってくるでしょう。
メインの住宅以外に庭木や庭石の処分、ブロック塀等の解体作業などがあればその費用が追加となるでしょう。また、室内の残存物や地中埋設物のあるなしによっても費用は違って来ます。立地環境によっては廃材の運搬に想定以上に時間がかかることもあるでしょう。解体業者に見積りを依頼する際は作業の範囲について明確にし、思い違いのないよう明細を見ながらしっかりと打合せしておくことをお薦め致します。
ちなみに、木造住宅の解体によって発生した木材や木屑等は状態が良ければ専門の業者に買い取ってもらうことができますので、着工前に解体業者と相談しておきましょう。
鉄骨造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 3.7万円 |
20〜29坪 | 3.4万円 |
30~39坪 | 3.2万円 |
40~49坪 | 3.0万円 |
50~59坪 | 2.9万円 |
続いて「鉄骨造」の解体費用相場です。鉄骨造の建物を解体する場合、大型重機や大型車両が必要になりますし、工事の規模も木造より大きいため費用はその分高くなります。また、注意しなければいけないのが解体する建物にアスベスト(石綿)を含む建材が使用されているかどうかです。
2006年以前に建てられた住宅であれば可能性がありますから、着工前に調査を行わなければいけません。アスベストによる健康被害は深刻な問題ですからアスベストを含む建材が使用されていた場合は、除去工事に必要な専門資格を有し、実績のある解体業者を選んでおくと安心でしょう。
なお、解体によって発生する鉄材や鉄くずに関しても有価物として業者に買い取ってもらうことができますので、解体業者と事前に確認しておきましょう。
RC造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 5.8万円 |
20〜29坪 | 5.2万円 |
30~39坪 | 4.9万円 |
40~49坪 | 4.7万円 |
50~59坪 | 4.6万円 |
最後に「RC造」の解体費用相場です。「RC造」とは柱、梁、床、壁などが鉄筋とコンクリートで作られており、その2つの組み合わせによって強度を増した建築物のことを言います。RC造の建物を解体する場合、その頑丈な造りから複雑な工程を要し、大規模な解体工事になります。
工事期間中は騒音や粉塵、振動などの問題が避けられませんから、近隣対策が重要です。また、廃棄物が大量に発生するため産業廃棄物収集運搬業の許可を取得している業者を選んだ方が費用的に良いかも知れません。解体工事の費用を細かく見ると、廃棄物処理に関する費用が思いのほか高い場合があります。
建物内の残置物についても処理費用は高額になりますから、可能な限り着工前にリサイクル業者等に引き取ってもらうことをお薦め致します。
埼玉県上尾市で実際に行われた解体工事の費用事例
建物解体工事以外の案件や飲食店などの内装解体を行いたい方は、前述した費用相場を見てもピンとこないことでしょう。そこで、解体工事見積もり広場へご相談頂き、実際に受注にいたった案件の費用事例を随時ご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
- 埼玉県上尾市における解体工事の費用事例は現在作成中となっております。
埼玉県上尾市で設備解体工事を依頼する前に知っておくべきこと
店舗やオフィスの設備を解体する工事の総称は内装解体
設備解体工事といっても人それぞれ認識が異なることが多く、業者への見積もり前にあらかじめ理解を深めた上で依頼することが大切です。
ここでは、主に店舗やオフィスで依頼することがある工事の種類や名称、その内容の違いなどについて解説していきます。
クリックで画像拡大
内装解体
内装解体とは、スケルトン工事や原状回復工事の総称です。
具体的には、スケルトン工事や原状回復工事を行う際に、店舗・オフィス内の造作物(厨房設備やカウンターなど入居時になかった物)を解体して撤去する作業のことを言います。
スケルトン解体工事
スケルトン解体工事とは、建物の構造体以外は何もない状態へ戻す工事の名称です。
入居時の内装工事で造作した間仕切りや天井、壁や床などの造作物を全て撤去していきます。鉄筋コンクリート造のビルなどの場合、コンクリート打ちっぱなしの状態と表現されます。
スケルトン工事、スケルトン仕上げ、スケルトン戻し、などと呼ばれることがありますが、そのどれもスケルトン解体工事のことを指しており、意味は同じとなります。
原状回復工事
原状回復工事とは、店舗やオフィスなど物件を借りた際の元々の状態にまで戻し、貸主に返却するために借り主が行う工事です。
物件を借りた時点でスケルトン状態だったのであれば、原状回復工事はスケルトン工事となり、そうでなければ造作物など後から付けたものを撤去する工事となります。
例えば、飲食店など店舗として物件を借りる場合、スケルトン状態で借りていることが多く、オフィスや事務所として借りる場合、スケルトン状態ではないケースが多いでしょう。
※物件を借りた際の契約書に解約時の原状回復工事内容について記載されています。
設備解体工事
設備解体工事とは、一般的に工場などの設備を解体するプラント設備解体工事を指す場合がほとんどです。店舗やテナントの場合、借りた際にはなかった厨房などの設備を解体・撤去する工事の名称としてはあまり使われません。
そのため、飲食店などの店舗を移転・閉店する際に厨房設備などを撤去・解体したいのであれば、多くはスケルトン解体工事を依頼することになるでしょう。
また、飲食店の改装などで現場を解体・撤去してスケルトン状態にするために、消火用設備電源装置などの消防設備工事も必要なケースがあります。そういった場合は消防設備工事業務、整備業務、点検業務も同時に対応可能な解体業者に相談してください。
まずは間違いを起こさないために、賃貸借契約書などで解約時の工事内容について確認した上で、解体業者に見積もりを依頼しましょう。
上尾市の空き家の種類と件数
上尾市の空き家の現状について政府統計データに基づき分析してみましょう。
上尾市の空き家の総数は8,710件です。総住宅数は96,600件ですから空き家率は9%となります。なお、空き家というのは誰も住んでいない、住めない家ということではなく、別荘として利用している「2次的住宅」、「賃貸用の住宅」、「売却用の住宅」、この3つに該当しない「その他の住宅」の4つの種類に分類されます。
上尾市の空き家8,710件の内訳を見ると、2次的住宅は120件ですが、賃貸用の住宅は5,180件と多く、売却用の住宅は530件、この3つのような利用目的がないその他の住宅に関しては2,880件でした。このデータを見ると、上尾市の空き家には「賃貸用の住宅」が最も多いのですが、利用目的のない「その他の住宅」に関しても相当数あることがわかります。
まずは件数が最も多い賃貸用の住宅について調べてみます。上尾市では上尾駅の開業以来急速に人口が増加し、高度経済成長期を迎えて工業住宅都市となることで、さらに人口が激増しました。1970年の人口増加率は102%という驚きの数字です。人口動勢に合わせて住宅数も急増しており、市内には大規模団地が次々と造られていきました。当時、賃貸用の住宅の数も一気に増えたのですが、ここ数年上尾市の人口はほぼ横ばいで推移している状況です。
賃貸用の住宅への需要は以前ほど高くない状態ですが、現在も市内には新築物件が増え続けています。「住宅統計調査及び住宅・土地統計調査」データで上尾市の住宅数と世帯数の推移を見ると、住宅数の伸びが世帯数の伸びを上回り、その差は拡大傾向にあります。賃貸用の住宅に関しても供給過多の状態となり、空き家が多くなっているのでしょう。
続いて、「その他の住宅」が多い要因を調べてみます。上尾市では空き家率が年々上昇していますが、なかでも「その他の住宅」はその割合が大きくなり、空き家数が増加する一つの要因となっています。ちなみに、前回調査時には1,960件だったのが平成25年の調査では2,880件にまで増加しているのです。
国勢調査によると、上尾市の高齢化率および高齢者単身世帯の割合は上昇しています。その他の住宅2,880件を建て方で分類すると、一戸建が1,900件と大半を占めており、上尾市においては一戸建の割合が高いことも大きく影響しているのでしょうが、相続等で継承された一戸建の住宅が上手く利用されず、空き家となっていることを表していると言えるでしょう。せっかく相続した住宅(財産)ですが、利用していなければ経済的な負担がかかるだけになってしまいます。
このような状況を踏まえつつ、上尾市にある空き家の実情を統計データから分析してみましょう。
「平成25年住宅・土地統計調査」によると、上尾市内にある空き家のなかで腐朽・破損がある物件の数は1,310件でした。空き家の総数が8,710件ですから約6.6件に1件の割合で腐朽・破損があることになります。その内訳を見ると、二次的住宅は0件ですが、賃貸用の住宅は600件で、売却用の住宅は90件、その他の住宅は610件でした。
建て方で分類すると、一戸建が680件、長屋建・共同住宅・その他に関しては630件と、同じような数でした。腐朽・破損がある空き家の割合は低いのですが、空き家全体の傾向と同じく賃貸用の住宅とその他の住宅の2つに集中しています。
先に触れたように、上尾市においては一戸建に利用目的のない「その他の住宅」が多いのですが、腐朽・破損がある空き家の割合はそれほど高くありません。賃貸用の住宅に関しても空き家数5,180件のうち腐朽・破損ありは600件ですから、残りの4,580件は特に問題がないのに空き家になっているということなのでしょう。とは言え、上尾市では毎年のように新築のアパート等が登場していますから、築年数の古い物件に関しては空き家状態が長く続けば腐朽・破損していく可能性が高いでしょう。
上尾市では、空き家の適正管理を推進するべく、「公益財団法人上尾市シルバー人材センター」と協定を締結し、同センターが実施している空き家の管理業務について紹介を行っています。業務内容としては、空き家等の見回り、窓の開閉等、敷地内の除草、つた等の撤去および清掃、植木の剪定、枝下ろし等、修理、修繕の大工工事(小規模なものに限る。)などがあります。空き家の管理についてお悩みの方は市役所に問い合わせてみると良いでしょう。
また、上尾市においては腐朽・破損がなく、利活用が可能な空き家が多いことから「空き家バンク」の活用を推進しています。上尾市と協定を締結した宅建業者に相談することが可能で、現地調査などを行ったうえで今度どのようにしたら良いかのアドバイスを受けることができるシステムとなっています。実際に「空き家バンク」を利用して売却もしくは賃貸活用された物件もありますから、空き家を所有する方は活用相談の手続きについて上尾市役所の交通防犯課に問い合わせてみてはどうでしょうか。
行政のサービス等を利用して利活用が進められそうな空き家に関しては腐朽・破損が進まないよう適正管理することが大事ですが、老朽化し、すぐには居住できない状態の空き家に関しては解体という選択肢もあるでしょう。しかしながらそういった空き家がなかなか解体されない現状があるのです。
そのため国土交通省では、空き家の発生を抑制するための特例措置として、被相続人が居住していた家屋を相続した相続人が、当該家屋または取壊し後の土地を譲渡した場合に、その譲渡所得から3,000万円を特別控除できる制度を設けています。家屋の売却もしくは解体した跡地の売却を検討している方は行政に問い合わせてみると良いでしょう。
上尾市においては適正管理されていない危険な空き家に関する苦情が増えています。放置されている空き家は、生い茂った草木の越境や敷地内へのゴミの不法投棄など、近隣の環境悪化を招く原因となるからです。管理不全のまま放置し「特定空家等」に指定されれば、固定資産税等の軽減措置対象から除外されるだけでなく、危険排除のために行政代執行によって解体されることもあるのです。
ちなみに、上尾市の2019年の公示地価を調べると平均136,143円/㎡で、変動率は+0.69%でした。特に上尾駅周辺の地価が上がっています。腐朽・破損があり、売却もしくは賃貸等での利活用が難しい空き家を所有する方は、思い切って解体し、跡地を売却する方が得策ではないでしょうか。
上尾市では市民相談室において、相続や不動産相談、住宅増改築・修繕相談などに対応しています。相談内容によって日程が異なりますので、詳しくは上尾市のホームページで確認するか、電話等で問い合わせてみてください。なお、相談は予約制です。
まとめ:上尾市の家・空き家の解体は地元の解体業者に相談を
上尾市は人口約22.5万人を擁する工業住宅都市ですが、近年高齢化が進行し、人口もほぼ横ばいで推移しているにもかかわらず住宅の数は増え続け、空き家が多くなっています。なかでも賃貸用の住宅に空き家が多いのですが、一戸建住宅に関しても空き家が増え、利用目的のない「その他の住宅」が急速に増加しています。
そのため上尾市では空き家の適正管理を促すとともに「空き家バンク」の利用を推進していますが、老朽化した空き家に関しては利活用が難しいでしょう。所有する空き家をどうしたら良いかお悩みの方は、市民相談室等を利用して早めに何らかの決断をすることをお薦め致します。
問題を先送りにしていると危険な空き家となり、地震や火災、大型台風などが発生した際には被害を拡大する原因になりかねないのです。上尾市では解体後の跡地の活用に関する相談にも対応していますから、思い切って解体することも選択肢の一つでしょう。
解体すると決めたならば、行政の制度や上尾市特有の環境に詳しい地元の業者を選びましょう。