神奈川県横浜市港南区の解体工事業者一覧と費用相場について解説
横浜市港南区の解体工事を巡る状況
港南区は横浜市を構成する18行政区のうちの1つです。かつては農村地帯でしたが、1950年代から宅地開発が始まり、1970年代には野庭団地、港南台団地などの巨大団地が形成されて人口が激増しました。全体的に住宅地が多い港南区ですが、商業地は上大岡駅周辺と港南台駅周辺に集まり、副都心に指定される上大岡駅周辺は再開発事業が進行しています。都心へのアクセスが良いわりに賃貸物件の家賃相場が安いことから人気がある街ですが、1990年に22.4万人だった人口は2019年の時点で21.4万人に減少しています。横浜市のこのエリアではよくみられる傾向ですが、高度経済成長期に急速に人口が増え、その需要に応えるべく建てられた住宅の老朽化が進んでおり、一部には空き家状態のままとなっている物件もあります。
横浜市では耐震性が不足する木造住宅等の除却工事費用を市が補助する制度「住宅除却補助制度」を設けています。昭和56年5月末日以前に建築確認を得て着工された2階建以下の在来軸組構法の木造個人住宅(自己所有のもの)など、一定の基準を満たせば工事費用の助成が受けられます。
港南区が属する横浜市にはほかにも空き家問題に関係する様々な制度がありますので、解体工事を検討する際にはしっかりと調べておきましょう。
ここからは、横浜市港南区の解体工事の現状を紹介し、解体工事費用の相場、解体工事を依頼する上で留意するべき点などを紹介していきます。
横浜市港南区の解体工事費の相場(平均坪単価)
解体工事は「木造」「鉄骨造」「RC造」の3種類に大きく分類されます。解体する建物の構造で解体工事費には大きな差が出ますが、解体する建物の立地環境というのも重要です。港南区は山が市街地を包んでいるような谷戸地形となっており、住宅密集地も多数あります。また、丘陵部を切り開いた住宅地が多いため起伏のある地形で、狭くて入り組んだ道も多数あります。そういった場所で解体工事を行う場合は大型重機が入れられず手作業メインの解体となることがあります。そうなると工期が長くなりますので、費用負担も大きくなるでしょう。
ここからは、3つの分類ごとの横浜市港南区の解体工事の相場(平均坪単価)を紹介していきます。
木造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 4.0万円 |
20〜29坪 | 3.7万円 |
30~39坪 | 3.5万円 |
40~49坪 | 3.3万円 |
50~59坪 | 3.2万円 |
まず「木造」の解体費用相場ですが、「木造」というのは主要構造部分に木材を使用した建築物のことを言います。港南区における木造建物の解体費用の相場は、一般的な規模の30〜39坪の広さで坪単価3.5万円です。木造住宅の解体は「鉄骨造」「RC造」に比べると費用相場が低くなりますが、住宅密集地では大型重機での解体ができないため、工期が長くなってしまいます。また、敷地内に庭木や庭石、ブロック塀などがあり、それらを解体・撤去する場合にはその費用が追加となります。ブロック塀を解体する場合、その構造によっては隣家に影響しますので、思わぬトラブルにならないよう解体前にきちんと相談しておきましょう。
ちなみに、解体に伴って発生する木材(木屑)は廃棄処分するものと再資源化できるものに分けられます。解体工事費を少しでも下げるために積極的にリサイクルすることをお薦め致します。また、庭木や庭石などに関しても買い取り業者がいますので、解体工事を行う際には解体業者と事前に打ち合わせしておきましょう。
鉄骨造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 4.9万円 |
20〜29坪 | 4.5万円 |
30~39坪 | 4.2万円 |
40~49坪 | 4.0万円 |
50~59坪 | 3.9万円 |
次に「鉄骨造」の解体費用相場です。「鉄骨造」とは柱や梁などの骨組みに鉄骨を組んで造った建築物のことを言います。「鉄骨造」は「RC造」(鉄筋コンクリート)に比べて軽量となるため工場や高層ビルなどに多く見られます。港南区は高度経済成長期に一気に発展していったため区内には当時建てられた建物が多数あります。近年は老朽化した建物を解体して宅地化する動きがあり、新興住宅地と古い建物群が入り混じっているような状態です。そういった環境にある鉄骨造の建物を解体する場合、騒音や震動などで近隣住民に迷惑がかかることは避けられません。また、2006年以前に建てられた古い建物のなかには健康被害を及ぼす石綿(アスベスト)を使用しているものがありますので、その点についても細心の注意が必要です。鉄骨造の建物を解体する際には、周辺住民に対しても丁寧な対応ができる解体業者を選ぶと良いでしょう。
鉄骨造の建物を解体すると大量の鉄材と鉄くずが発生します。それらは有価物として業者に買い取ってもらうことができますので、解体業者に見積りを出してもらう際には有価物の買い取りに関しても忘れず確認しておきましょう。
RC造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 8.1万円 |
20〜29坪 | 7.4万円 |
30~39坪 | 7.0万円 |
40~49坪 | 6.7万円 |
50~59坪 | 6.5万円 |
最後に「RC造」の解体費用相場です。「RC造」とは柱、梁、床、壁などが鉄筋とコンクリートで作られており、その2つの組み合わせによって強度を増した建築物のことを言います。RC造の建物を解体する際にはコンクリートを破壊するため、騒音と粉塵などが発生します。そのため、周辺住民への影響を最小限にするため「騒音規制法」に準じた作業時間となります。作業時間は1日10時間以内と決められていますので、工期も自ずと長くなります。また、港南区には大規模な造成工事がされている土地があり、地盤強化のために地中杭を打ち込んでいる物件があります。その分の費用があとから追加とならないよう、解体工事の見積もりを取る際には設計図をもとにしっかりと打合せしておきましょう。
神奈川県横浜市港南区で実際に行われた解体工事の費用事例
建物解体工事以外の案件や飲食店などの内装解体を行いたい方は、前述した費用相場を見てもピンとこないことでしょう。そこで、解体工事見積もり広場へご相談頂き、実際に受注にいたった案件の費用事例を随時ご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
- 神奈川県横浜市港南区における解体工事の費用事例は現在作成中となっております。
神奈川県横浜市港南区で設備解体工事を依頼する前に知っておくべきこと
店舗やオフィスの設備を解体する工事の総称は内装解体
設備解体工事といっても人それぞれ認識が異なることが多く、業者への見積もり前にあらかじめ理解を深めた上で依頼することが大切です。
ここでは、主に店舗やオフィスで依頼することがある工事の種類や名称、その内容の違いなどについて解説していきます。
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内装解体
内装解体とは、スケルトン工事や原状回復工事の総称です。
具体的には、スケルトン工事や原状回復工事を行う際に、店舗・オフィス内の造作物(厨房設備やカウンターなど入居時になかった物)を解体して撤去する作業のことを言います。
スケルトン解体工事
スケルトン解体工事とは、建物の構造体以外は何もない状態へ戻す工事の名称です。
入居時の内装工事で造作した間仕切りや天井、壁や床などの造作物を全て撤去していきます。鉄筋コンクリート造のビルなどの場合、コンクリート打ちっぱなしの状態と表現されます。
スケルトン工事、スケルトン仕上げ、スケルトン戻し、などと呼ばれることがありますが、そのどれもスケルトン解体工事のことを指しており、意味は同じとなります。
原状回復工事
原状回復工事とは、店舗やオフィスなど物件を借りた際の元々の状態にまで戻し、貸主に返却するために借り主が行う工事です。
物件を借りた時点でスケルトン状態だったのであれば、原状回復工事はスケルトン工事となり、そうでなければ造作物など後から付けたものを撤去する工事となります。
例えば、飲食店など店舗として物件を借りる場合、スケルトン状態で借りていることが多く、オフィスや事務所として借りる場合、スケルトン状態ではないケースが多いでしょう。
※物件を借りた際の契約書に解約時の原状回復工事内容について記載されています。
設備解体工事
設備解体工事とは、一般的に工場などの設備を解体するプラント設備解体工事を指す場合がほとんどです。店舗やテナントの場合、借りた際にはなかった厨房などの設備を解体・撤去する工事の名称としてはあまり使われません。
そのため、飲食店などの店舗を移転・閉店する際に厨房設備などを撤去・解体したいのであれば、多くはスケルトン解体工事を依頼することになるでしょう。
また、飲食店の改装などで現場を解体・撤去してスケルトン状態にするために、消火用設備電源装置などの消防設備工事も必要なケースがあります。そういった場合は消防設備工事業務、整備業務、点検業務も同時に対応可能な解体業者に相談してください。
まずは間違いを起こさないために、賃貸借契約書などで解約時の工事内容について確認した上で、解体業者に見積もりを依頼しましょう。
横浜市港南区の空き家の種類と件数
港南区にも空き家問題があります。解体工事の対象となる物件には空き家が多いため、横浜市港南区の空き家の現状について政府統計データに基づいて分析してみましょう。
港南区の空き家の総数は8,630件で、横浜市18区の平均よりやや少ない件数です。空き家というのは誰も居住していない、居住できない家ということではなく、別荘として利用している「2次的住宅」、「賃貸用の住宅」、「売却用の住宅」、この3つに該当しない「その他の住宅」の4つの種類に分類されています。港南区の空き家8,630件の内訳を見ると、2次的住宅は40件で、賃貸用の住宅は4,990件、売却用の住宅は660件、この3つのような利用目的がないその他の住宅に関しては2,930件でした。このデータから、港南区にある空き家はほとんどが賃貸用の住宅もしくは利用目的のないその他の住宅であることがわかります。
港南区は横浜および東京都心部のベッドタウンとして人気があり、大岡山駅周辺の再開発によってさらに住みやすくなっています。しかしながら高度経済成長期に造成された大型団地を中心に高齢者だけの世帯が増え、若年層の転出によって空き家が増えている状況です。高齢化率は年々上昇していますので、今後も高齢者だけの世帯が増え、空き家増加の要因になることが予想されます。
このような背景を踏まえつつ港南区にある空き家の実情を統計データを見て分析してみましょう。
「平成25年住宅・土地統計調査」によると、港南区内にある空き家のなかで腐朽・破損ありという物件は2,050件でした。空き家の総数が8,630件ですから約4件に1件が腐朽・破損ありの物件です。内訳を見ると、二次的住宅が20件で、賃貸用の住宅が1,040件、売却用の住宅が40件、その他の住宅が950件でした。腐朽・破損ありの物件を建て方で分類すると、一戸建て住宅は420件で、長屋建・共同住宅・その他に分類される住宅は1,630件でした。このデータから、港南区には空き家となっているアパートやマンション、テナントビルなどに腐朽・破損がある物件が多いことがわかります。
港南区は1970年~1990年頃までにかけて発展していった街です。そのため、当時転入してきた世代が高齢化しつつあり、現在は高齢者だけの世帯が増えています。また、当時建てられた大型団地にも空き家が目立つようになり、腐朽・破損がある物件もあちこちで見られるようになりました。。また、上記データでわかるように利用目的のない空き家も多数あり、朽ちていくまま放置されているボロボロの物件を目にすることもあります。そういった老朽化した空き家というのは思い切って解体する方が資産として活用する選択肢が広がるでしょう。
港南区が属する横浜市では空き家問題に対応するため「横浜市空家等対策計画」を策定しています。
この計画に基づき、空き家所有者への家財撤去費用補助・空き家譲渡時の3000万円特別控除・空き家に関する相談窓口の設置など取り組みを行うことで「空家化の予防」「空家の流通・活用促進」「管理不全な空家の防止・解消」「空家に係る跡地の活用」を推進しています。
まとめ:横浜市港南区の家・空き家の解体は地元の解体業者に相談を
港南区は大岡山駅周辺を中心に再開発が進んでおり、横浜市の副都心として賑わいを見せています。しかしながら古くからの団地などでは住民の高齢化が進み、賃貸物件に空き家が多い状況です。港南区の2019年の公示地価を調べると平均224,294円で変動率は+0.58%でした。特に上大岡に関しては+2.13%と大きく上昇しており、坪単価平均は1,139,478円となっています。区域全体としても地価が上昇している港南区ですから、特に利用目的がない住宅に関しては横浜市の空き家対策の制度などを上手に活用し、解体工事をすることをお薦め致します。
横浜市には「横浜市空家等対策計画」が策定されていますので、空き家物件を所有する方は一度行政に相談してみましょう。「住宅除却補助制度」の対象物件となる場合は、除却工事費用の一部の補助が受けられます。所有する空き家について処分を迷ったときには行政や関係機関に積極的に相談しましょう。
解体工事を行うと決めたなら、その地域の地理的な特徴や行政の制度などに詳しい地元の解体業者を選ぶと良いでしょう。