神奈川県大和市の解体工事業者一覧と費用相場について解説
大和市の解体工事を巡る状況
大和市は神奈川県のほぼ中央に位置し、横浜市・相模原市・東京都町田市などと接する人口約23.7万人の都市です。狭い市域に8駅があるため、市内のどこでも最寄り駅まで徒歩約15分以内という便利さで、新宿・渋谷・横浜にそれぞれ1時間以内という交通アクセスの良さからベッドタウンとして発展しています。「中央林間・つきみ野」「南林間・鶴間」など、大和市都市計画において造成された住宅地は緑も豊かで、田園都市という印象を与えます。大和市は交通利便性の高さから高度経済成長期以降人口が右肩上がりで増え、1992年には20万人を超えています。かつて田畑が広がっていた地域も宅地化が急速に進み、同時に三菱重工や日本ビクターなど大手メーカーの製造拠点も数多く進出して来ました。各メーカーの研究機関なども多く、大型商業施設も多数あります。
計画的に整備された都市機能を有する大和市はベッドタウンとして人気がありますが、特に中央林間・つきみ野エリアの住みやすさに評価が高く、2021年には604邸という大規模なレジデンスタイプのマンションが登場します。ほかにも市内には次々と新築マンションが建てられていますが、1960年代に建てられた老朽化した住宅も数多くあり、空き家物件も相当数あるようです。
大和市は空き家対策に取り組むため、平成25年に市内全域において空き家の実態調査を実施しています。また、平成27年5月の「空家等対策の推進に関する特別措置法」の施行を受け、「街づくり計画部」を空き家対策の総合窓口として、市民からの相談に対応しています。大和市内の空き家に関する相談は「公益社団法人 かながわ住まいまちづくり協会」でも受け付けていますので、空き家についてお悩みの方は一度行政に相談してみると良いでしょう。
ここからは、大和市の解体工事の現状を紹介し、解体工事費用の相場、解体工事を依頼する上で留意するべき点などを紹介していきます。
大和市の解体工事費の相場(平均坪単価)
解体工事は「木造」「鉄骨造」「RC造」の3種類に大きく分類されます。解体工事費の相場は建物の構造で違ってきますが、立地環境によっても大きく異なります。大和市は高度経済成長期に宅地開発が進んだ街です。市街地には住宅密集地が多く、古い住宅と新築物件が混在している街並みをよく目にします。解体する建物と隣接する建物が近すぎる場合、慎重に解体工事を進めなければいけません。解体工事は大型重機で一気に進めると早いのですが、それが難しい場合は手作業が中心になりますので工期が長くなってしまうでしょう。これから紹介する解体工事費の相場についてはあくまでも見積りを取る際の一つの目安とお考えください。
ここからは、3つの分類ごとの大和市の解体工事の相場(平均坪単価)を紹介していきます。
木造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 3.6万円 |
20〜29坪 | 3.3万円 |
30~39坪 | 3.1万円 |
40~49坪 | 3.0万円 |
50~59坪 | 2.9万円 |
まず「木造」の解体費用相場です。「木造」というのは主要構造部分に木材を使用した建築物のことを言います。大和市における木造建物の解体費用相場は、一般的な規模の30〜39坪で坪単価3.1万円です。ただし、建物のほかに庭木や庭石、ブロック塀などの撤去作業がある場合は、当然その費用が追加になります。また、立地環境によっても費用は違って来ます。なお、解体によって発生した木材や木屑は再資源化できる状態であれば業者に買い取ってもらうことができますので、事前に打合せしておきましょう。
ちなみに、大和市には「ブロック塀等撤去費及び改善費補助金制度」があり、道路に面したブロック塀等で市が派遣した専門家によって適法だと診断された場合には補助金を受け取ることができます。適法性無料診断を受けて法令に適合してないと判定された場合も、一定条件を満たせば最大30万円の補助が受けられますので、ブロック塀の解体・撤去がある場合は、事前に大和市に確認しておくと良いでしょう。
鉄骨造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 4.4万円 |
20〜29坪 | 4.0万円 |
30~39坪 | 3.8万円 |
40~49坪 | 3.6万円 |
50~59坪 | 3.5万円 |
続いて「鉄骨造」の解体費用相場です。「鉄骨造」とは柱や梁などの骨組みに鉄骨を組んで造った建築物のことを言います。「鉄骨造」の建物を解体する場合、木造の解体費用よりも2~3割程度高くなるのが一般的ですが、当然ながら建物の構造および立地環境等によって差が出て来ます。また、「鉄骨造」の建物を解体する場合、注意しなければいけないのがアスベスト(石綿)です。アスベストが使用されている場合、作業開始前に大和市に届出書を提出する必要があります。アスベストの除去工事については専門資格を有する作業者が必要になりますので、外注費用が発生しないようアスベスト処理の専門資格者が在籍する経験豊富な解体業者を選んでおくと安心でしょう。
なお、解体によって発生する鉄材や鉄くずに関しても有価物として業者に買い取ってもらうことができますので、見積りを取る際に解体業者と確認しておきましょう。
RC造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 7.3万円 |
20〜29坪 | 6.7万円 |
30~39坪 | 6.3万円 |
40~49坪 | 6.1万円 |
50~59坪 | 5.9万円 |
最後に「RC造」の解体費用相場です。「RC造」とは柱、梁、床、壁などが鉄筋とコンクリートで作られており、その2つの組み合わせによって強度を増した建築物のことを言います。RC造の建物は5階建てくらいの集合住宅に多く、大和市にも老朽化したRC造のマンション等が多数あります。RC造の解体工事においてはほかの構造の建物よりも騒音や粉塵、振動などが大きな問題となります。近隣トラブルとなって工事が中断することにならないよう、事前に説明会などを行っておくと良いでしょう。また、工事中も近隣の方々に丁寧な対応ができる解体業者を選んでおくと安心です。
神奈川県大和市で実際に行われた解体工事の費用事例
建物解体工事以外の案件や飲食店などの内装解体を行いたい方は、前述した費用相場を見てもピンとこないことでしょう。そこで、解体工事見積もり広場へご相談頂き、実際に受注にいたった案件の費用事例を随時ご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
- 神奈川県大和市における解体工事の費用事例は現在作成中となっております。
神奈川県大和市で設備解体工事を依頼する前に知っておくべきこと
店舗やオフィスの設備を解体する工事の総称は内装解体
設備解体工事といっても人それぞれ認識が異なることが多く、業者への見積もり前にあらかじめ理解を深めた上で依頼することが大切です。
ここでは、主に店舗やオフィスで依頼することがある工事の種類や名称、その内容の違いなどについて解説していきます。
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内装解体
内装解体とは、スケルトン工事や原状回復工事の総称です。
具体的には、スケルトン工事や原状回復工事を行う際に、店舗・オフィス内の造作物(厨房設備やカウンターなど入居時になかった物)を解体して撤去する作業のことを言います。
スケルトン解体工事
スケルトン解体工事とは、建物の構造体以外は何もない状態へ戻す工事の名称です。
入居時の内装工事で造作した間仕切りや天井、壁や床などの造作物を全て撤去していきます。鉄筋コンクリート造のビルなどの場合、コンクリート打ちっぱなしの状態と表現されます。
スケルトン工事、スケルトン仕上げ、スケルトン戻し、などと呼ばれることがありますが、そのどれもスケルトン解体工事のことを指しており、意味は同じとなります。
原状回復工事
原状回復工事とは、店舗やオフィスなど物件を借りた際の元々の状態にまで戻し、貸主に返却するために借り主が行う工事です。
物件を借りた時点でスケルトン状態だったのであれば、原状回復工事はスケルトン工事となり、そうでなければ造作物など後から付けたものを撤去する工事となります。
例えば、飲食店など店舗として物件を借りる場合、スケルトン状態で借りていることが多く、オフィスや事務所として借りる場合、スケルトン状態ではないケースが多いでしょう。
※物件を借りた際の契約書に解約時の原状回復工事内容について記載されています。
設備解体工事
設備解体工事とは、一般的に工場などの設備を解体するプラント設備解体工事を指す場合がほとんどです。店舗やテナントの場合、借りた際にはなかった厨房などの設備を解体・撤去する工事の名称としてはあまり使われません。
そのため、飲食店などの店舗を移転・閉店する際に厨房設備などを撤去・解体したいのであれば、多くはスケルトン解体工事を依頼することになるでしょう。
また、飲食店の改装などで現場を解体・撤去してスケルトン状態にするために、消火用設備電源装置などの消防設備工事も必要なケースがあります。そういった場合は消防設備工事業務、整備業務、点検業務も同時に対応可能な解体業者に相談してください。
まずは間違いを起こさないために、賃貸借契約書などで解約時の工事内容について確認した上で、解体業者に見積もりを依頼しましょう。
大和市の空き家の種類と件数
大和市の空き家の現状について政府統計データに基づき分析してみましょう。
大和市の空き家の総数は13,040件です。総住宅数は113,470件ですから空き家率は8.7%となります。なお、空き家というのは誰も住んでいない、住めない家ということではなく、別荘として利用している「2次的住宅」、「賃貸用の住宅」、「売却用の住宅」、この3つに該当しない「その他の住宅」の4つの種類に分類されます。大和市の空き家13,040件の内訳を見ると、2次的住宅は340件で、賃貸用の住宅は8,940件、売却用の住宅は180件、この3つのような利用目的がないその他の住宅に関しては3,580件でした。このデータを見ると、大和市にある空き家は大半が賃貸用の住宅だということがわかります。
大和市は中央林間やつきみ野エリアなどに新興住宅地が多く、緑も豊かでベッドタウンとして発展している街です。高度経済成長期には各地に大規模団地が生まれ、人口が右肩上がりで増加していきました。
賃貸用の住宅に空き家が多い要因を調べてみると、当時建てられた賃貸用の物件が多数あるにも関わらず、現在も市内各所に新築のマンション等が建てられています。近年流行のデザイナーズマンションやレジデンス型の高級マンションなどが続々と登場しており、賃貸・分譲ともにとても人気があります。また、大和市は都心に比べればマンションの分譲価格の相場が安いため、ここ数年はマンションの購入を選択するひとが増えているようです。大和市の人口は依然として増加傾向にありますが、物件数も増え続けており、供給過多の状態になることで空き家が多くなっていることが考えられます。
このような状況を踏まえつつ大和市にある空き家の実情を統計データから分析してみましょう。
「平成25年住宅・土地統計調査」によると、大和市内にある空き家のなかで腐朽・破損がある物件の数は1,900件でした。空き家の総数が13,040件ですから約6.8件に1件の割合で腐朽・破損があることになります。その内訳を見ると、二次的住宅は20件ですが、賃貸用の住宅は1,180件と大半を占め、売却用の住宅は20件、その他の住宅は680件となっていました。建て方で分類すると、一戸建は610件で、長屋建・共同住宅・その他に関しては1,280件です。さらに詳しく見ると、腐朽・破損がある長屋建・共同住宅・その他のうち1,070件が賃貸用の住宅という状況です。
大和市は都心や横浜に通勤・通学するひとが多い、いわゆるベッドタウンという色合いが強い街です。また、東名高速道路や国道246号線などの主要道路や、狭い市域に鉄道8駅がある交通利便性の高さから大規模な製造業や研究機関なども多く、豊かな自然と都市機能が融合した理想的な街と言えるでしょう。しかしながら細かく見ていくと、エリアによって大きな差があるようです。
中央林間・つきみ野エリアは田園都市線沿線らしいおしゃれな雰囲気ですが、米軍基地に近い相模大塚駅や大和駅周辺にはそれらとは違う昭和感を感じる街並みが残っています。このエリアは戦後すぐに発展したこともあって、古いアパートやマンションが多数あります。路地裏に入るとシャッター街となった商店街も多く、1棟すべて空いているテナントビル等もあり、同じ大和市内でも随分と雰囲気が違います。大和市全体で見れば腐朽・破損がある空き家の数はそれほど多くありませんが、古い街並みが残る相模大塚駅や大和駅周辺の賃貸物件に老朽化した建物が多いのだと思われます。
ちなみに、大和市の2019年の公示地価を調べると平均201,421円/㎡で、変動率は+1.13%でした。エリア別に見ると、中央林間駅周辺の地価が変動率+3.24%で最も上昇していますが大和駅周辺も+1.45%と上昇しています。地価ランキングで見ても第1位は大和駅近くの602,000 円/㎡でした。エリアによって雰囲気が大きく異なる大和市ですが、市内には地価が下がっているエリアがほとんどないという状況です。
このような状況を見ると、長い間空き家となっている老朽化した物件を所有している方は思い切って建物を解体し、更地にして売却することも選択肢の一つになるでしょう。
空き家というのはただ所有しているだけで固定資産税や都市計画税などの経済的な負担がかかります。なお、住居があることで「住宅用地の特例」として税金が安くなっていますが、空き家を解体してしまうとこの制度が適用されなくなるため税金が高くなります。そのため解体を躊躇する所有者が多いのですが、もし所有する空き家が「特定空家等」に指定された場合、「住宅用地の特例」が適用されなくなります。つまり、適正な管理がされていない空き家に対しては、固定資産税・都市計画税の大幅な増税ができるようになっているのです。
平成28年度の税制改正において「空き家の発生を抑制するための特例措置(空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除)」が創設されました。相続によって生じた空き家やその敷地を売却(譲渡)した際、一定の要件を満たす場合には、その譲渡所得から3,000万円が控除されます。大和市では建築指導課が被相続人居住用家屋等確認書の交付手続きを行っていますので、空き家や解体後の土地を売却(譲渡)することを検討している方は、一度行政に相談してみることをお薦め致します。
まとめ:大和市の家・空き家の解体は地元の解体業者に相談を
大和市においても空き家問題は年々深刻になって来ています。特に賃貸用の物件に空き家が多いのですが、新築物件が増え続けている以上、これからさらに増加すると予想されます。建物というのは居住者がいない期間が長くなるほど腐朽が進みます。ベッドタウンとして人気がある大和市ですから、思い切って解体して建て替えることも選択肢の一つでしょう。
老朽化した空き家と言うのは、近隣住民の生活に思わぬ危険をもたらす恐れがあります。適正管理ができておらず「特定空家等」に指定された場合、行政に強制的に解体され、費用を請求されることもありますから、老朽化した空き家を所有する方はできる限り早く何らかの対応をすることをお薦め致します。
解体すると決めたならば、行政の制度や大和市特有の環境に詳しい地元の業者を選びましょう。