神奈川県相模原市の解体工事業者一覧と費用相場について解説

神奈川県相模原市

相模原市の解体工事を巡る状況

相模原市は神奈川県北部にある政令指定都市です。人口は70万人を超えており、神奈川県内で第3位となる人口規模です。新宿駅まで電車で30~40分のため、ベッドタウンとしての側面が強く、若い世帯を中心に人口の流入が続いています。橋本駅と相模大野駅が中心的な存在で、周辺には大型商業施設が多数あります。また、橋本駅周辺は再開発が進んでおり、北口付近には超高層マンション群が登場し、建設ラッシュが続いています。その一方で、津久井地域には豊かな自然が残っており、南の丹沢山地や北の秩父山地に連なる山々が地域の大半を占めています。さらに、南区麻溝台・新磯野地区には農地が広がっており、同じ相模原市内と言っても地域によって環境が大きく異なります。小田急線沿線に近いところは近代的な都市化が進んでいますが、そのほかの地域には築年数の古い住宅や商店などが多く存在し、空き家物件も相当数あるようです。

ちなみに、相模原市では平成27年5月26日に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づき、空き家に関する様々な取り組みを行っています。その一部として、緑区、中央区、南区の区役所地域振興課における「空家等に関する相談窓口」の設置があり、市民が抱える空き家問題に対応しています。

また、相模原市では空き家等に関する総合的な対策を進めるため、平成30年12月25日に神奈川県弁護士会や神奈川県土地家屋調査士会等の8専門家団体と「相模原市における空家等対策に関する協定」を締結し、市と8専門家団体が連携・協力しながら市民からの相談に対応しています。

ここからは、相模原市の解体工事の現状を紹介し、解体工事費用の相場、解体工事を依頼する上で留意するべき点などを紹介していきます。

相模原市の解体工事費の相場(平均坪単価)

解体工事は「木造」「鉄骨造」「RC造」の3種類に大きく分類されます。解体工事費の相場は建物の構造で大きく違いますが、立地環境によっても差が出ます。相模原市は都市部とそうでない地域の差が大きく、同じ市内でも建物の立地環境は様々です。都市部は区画整理がなされているため問題ありませんが、津久井地区には丘陵地の斜面に住宅が散在する集落があります。大型重機が使用できない場所であれば手作業中心の解体となるでしょう。そうなると工期は長くなり費用も割高になります。これから紹介する解体工事費の相場についてはあくまでも見積りを取る際の一つの目安と捉えてください。

ここからは、3つの分類ごとの相模原市の解体工事の相場(平均坪単価)を紹介していきます。

木造の解体費用相場

坪数 坪単価
10〜19坪 3.6万円
20〜29坪 3.3万円
30~39坪 3.1万円
40~49坪 3.0万円
50~59坪 2.9万円

まず「木造」の解体費用相場です。「木造」というのは主要構造部分に木材を使用した建築物のことを言います。相模原市における木造建物の解体費用相場は、一般的な規模の30〜39坪で坪単価3.1万円です。この相場は神奈川県のなかでは平均的な金額と言えるでしょう。ただし、建物以外に庭木、庭石、カーポート、ブロック塀などの解体・撤去作業がある場合はその分費用が追加となります。また、廃棄物の多さによっては搬出および処分費用が予想以上にかかることがあるでしょう。

ちなみに、解体によって発生した木材や木屑は再資源化できる状態のものであれば業者に買い取ってもらえます。庭木や庭石も同様です。また、相模原市には「相模原市危険ブロック塀等撤去奨励補助制度」がありますので、対象となるかどうか相模原市に問い合わせてみると良いでしょう。なお、販売を目的として整地や解体工事をする際にブロック塀等の撤去を行う場合は補助の対象外となります。

鉄骨造の解体費用相場

坪数 坪単価
10〜19坪 4.4万円
20〜29坪 4.0万円
30~39坪 3.8万円
40~49坪 3.6万円
50~59坪 3.5万円

続いて「鉄骨造」の解体費用相場です。「鉄骨造」とは柱や梁などの骨組みに鉄骨を組んで造った建築物のことを言います。「鉄骨造」の建物を解体する場合、大型重機を使用し、廃材の運搬にも大型車両が必要になりますので、費用は木造より高くなります。なお、解体によって発生する鉄材や鉄くずに関しても有価物として業者に買い取ってもらうことができますので、事前に解体業者に確認しておきましょう。

解体する建物にアスベスト(石綿)が使われていた場合、解体工事前に相模原市に届出書を提出しなければいけません。また、アスベストの飛散防止のために遵守すべき作業基準というものが定められていますので、思わぬ事故につながらないよう有資格者が在籍する解体業者を選んでおくと安心でしょう。
ちなみに、相模原市には「個人住宅吹き付けアスベスト対策費補助」という制度があり、除去工事にかかる費用の2分の1を上限として個人の住宅であれば最大30万円、集合住宅であれば最大300万円の補助が受けられます。この制度は鉄骨造だけでなく、そのほかの構造の建物も対象になりますので、ぜひ一度ご確認ください。

RC造の解体費用相場

坪数 坪単価
10〜19坪 7.3万円
20〜29坪 6.7万円
30~39坪 6.3万円
40~49坪 6.1万円
50~59坪 5.9万円

最後に「RC造」の解体費用相場です。「RC造」とは柱、梁、床、壁などが鉄筋とコンクリートで作られており、その2つの組み合わせによって強度を増した建築物のことを言います。RC造の建物を解体する場合、コンクリートを破壊する際に発生する騒音や粉塵、振動が大きな問題です。近隣トラブルを避けるためにはできる限り事前にしっかりと近隣住民への説明を行い、「騒音防止法」を遵守した工事時間で効率よく解体工事を行う必要があります。解体業者にも得意不得意がありますので、RC造の解体に関して経験豊富な業者を選びましょう。

神奈川県相模原市で実際に行われた解体工事の費用事例

建物解体工事以外の案件や飲食店などの内装解体を行いたい方は、前述した費用相場を見てもピンとこないことでしょう。そこで、解体工事見積もり広場へご相談頂き、実際に受注にいたった案件の費用事例を随時ご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。

  • 神奈川県相模原市における解体工事の費用事例は現在作成中となっております。

神奈川県相模原市で設備解体工事を依頼する前に知っておくべきこと

店舗やオフィスの設備を解体する工事の総称は内装解体

設備解体工事といっても人それぞれ認識が異なることが多く、業者への見積もり前にあらかじめ理解を深めた上で依頼することが大切です。

ここでは、主に店舗やオフィスで依頼することがある工事の種類や名称、その内容の違いなどについて解説していきます。

内装解体とスケルトン工事・原状回復工事・設備解体工事の相関図
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内装解体

内装解体とは、スケルトン工事や原状回復工事の総称です。

具体的には、スケルトン工事や原状回復工事を行う際に、店舗・オフィス内の造作物(厨房設備やカウンターなど入居時になかった物)を解体して撤去する作業のことを言います。

スケルトン解体工事

スケルトン解体工事とは、建物の構造体以外は何もない状態へ戻す工事の名称です。

入居時の内装工事で造作した間仕切りや天井、壁や床などの造作物を全て撤去していきます。鉄筋コンクリート造のビルなどの場合、コンクリート打ちっぱなしの状態と表現されます。

スケルトン工事、スケルトン仕上げ、スケルトン戻し、などと呼ばれることがありますが、そのどれもスケルトン解体工事のことを指しており、意味は同じとなります。

原状回復工事

原状回復工事とは、店舗やオフィスなど物件を借りた際の元々の状態にまで戻し、貸主に返却するために借り主が行う工事です。

物件を借りた時点でスケルトン状態だったのであれば、原状回復工事はスケルトン工事となり、そうでなければ造作物など後から付けたものを撤去する工事となります。

例えば、飲食店など店舗として物件を借りる場合、スケルトン状態で借りていることが多く、オフィスや事務所として借りる場合、スケルトン状態ではないケースが多いでしょう。

※物件を借りた際の契約書に解約時の原状回復工事内容について記載されています。

設備解体工事

設備解体工事とは、一般的に工場などの設備を解体するプラント設備解体工事を指す場合がほとんどです。店舗やテナントの場合、借りた際にはなかった厨房などの設備を解体・撤去する工事の名称としてはあまり使われません。

そのため、飲食店などの店舗を移転・閉店する際に厨房設備などを撤去・解体したいのであれば、多くはスケルトン解体工事を依頼することになるでしょう。

また、飲食店の改装などで現場を解体・撤去してスケルトン状態にするために、消火用設備電源装置などの消防設備工事も必要なケースがあります。そういった場合は消防設備工事業務、整備業務、点検業務も同時に対応可能な解体業者に相談してください。

まずは間違いを起こさないために、賃貸借契約書などで解約時の工事内容について確認した上で、解体業者に見積もりを依頼しましょう。

相模原市で解体工事に使える補助金・助成制度

相模原市危険ブロック塀等撤去奨励補助制度

相模原市では、地震によるブロック塀等の倒壊を未然に防止し、市民の安全を確保するために「危険ブロック塀等撤去奨励補助制度」を設けています。この制度では、倒壊の危険性があると認められたブロック塀等を撤去する所有者または管理者に対して補助金を交付します。

補助金交付申請の受付期間

申請受付期間:令和6年4月15日から令和6年12月27日まで
事業完了報告の提出期限:令和7年2月28日

郵送での申請を希望される方は、建築政策課(042-769-8252)に問い合わせてください。

補助申請の対象者

補助金の対象となるのは、以下の条件を満たすブロック塀等の所有者または管理者です。ただし、以下に該当する場合は対象外となります。

  • ブロック塀等が公共事業の補償対象となる場合
  • 他の市要綱に基づき、市の負担で撤去を行う場合
  • 販売目的で整地や解体工事を行う際に撤去する場合
  • 市税や国民健康保険税を滞納している所有者
  • 同一場所で過去に補助金の交付を受けたことがある場合

補助対象となるブロック塀等

対象は、「ブロック塀点検表」に基づき危険性が確認された、以下の条件を満たすブロック塀等です。

  • 道路等に沿って設置され、高さが1メートルを超えるもの
  • 擁壁等と併せた高さが1メートルを超え、かつブロック塀等の高さが60センチメートルを超えるもの

道路等の定義:道路、公園、その他一般の用に供される場所
対象となるブロック塀等の例:コンクリート製の塀、石積塀、万年塀など

※既に撤去が開始されている、または撤去済みの塀は補助対象外です。

補助対象事業

市内の業者が施工し、以下に該当する事業が対象です。

  • 対象のブロック塀等をすべて撤去する工事
  • ブロック塀等の高さを道路面からおおむね40センチメートル以下に減じる工事

補助額

  • 補助対象経費の2分の1(上限10万円)
  • 重点地区や通学路沿いのブロック塀等に対しては、補助割合が4分の3(上限15万円)

補足:補助金額に1,000円未満の端数が生じた場合は切り捨てとなります。補助対象経費は「見積金額」と「工事費標準額表を用いて算出した金額」のいずれか低い方の金額です。塀の再築費用は補助の対象外です。

重点地区の定義:小学校および義務教育学校の敷地境界からおおむね500メートル以内の区域

交付申請の手続きの流れ

  1. 補助金交付申請書と関連書類の提出(申請者)
  2. 申請書類の審査
  3. 「補助金交付決定通知書」の発行(郵送)
  4. 事業着手(通知書到着後に開始)
  5. 事業完了後、完了実績報告書と関連書類の提出(申請者)
  6. 完了実績報告書の審査
  7. 補助金額確定通知書の発行
  8. 補助金交付請求書の提出(申請者)
  9. 補助金の指定口座への振込(現金受領不可)

必要書類

詳細については、相模原市の公式ページ「相模原市ブロック塀等撤去奨励補助制度の様式等|相模原市」を確認してください

その他の注意事項

ブロック塀等を再築する際は、安全基準を満たし、倒壊の危険がない構造とすることが求められます。

申請手続きの流れなど、詳細については相模原市公式ホームページから「危険なブロック塀などの撤去費の一部補助」を確認してください。

参考リンク:危険なブロック塀などの撤去費の一部補助|相模原市

相模原市の空き家の種類と件数

解体工事の対象となる物件には空き家が多いため、相模原市の空き家の現状について政府統計データに基づき分析してみましょう。

相模原市の空き家の総数は35,920件です。なお、空き家というのは誰も住んでいない、住めない家ということではなく、別荘として利用している「2次的住宅」、「賃貸用の住宅」、「売却用の住宅」、この3つに該当しない「その他の住宅」の4つの種類に分類されます。相模原市の空き家35,920件の内訳を見ると、2次的住宅は980件で、賃貸用の住宅は23,620件、売却用の住宅は1,170件、この3つのような利用目的がないその他の住宅に関しては10,150件でした。このデータから、相模原市にある空き家は大半が賃貸用の住宅ですが、利用目的がないその他の住宅も相当数あることがわかります。

相模原市は橋本駅・相模原駅・相模大野駅の周辺地区が中心商業地で、橋本駅は再開発によって大きく発展しています。また、相模大野駅西側、小田急相模原駅東側においても再開発が計画されており、高層マンションの建設が各所で進められています。ベッドタウンとしての都市機能がさらに高くなっている状況ですが、上記データでわかるように、空き家が35,920件もあり、利用目的がないその他の住宅に関してもかなりの件数が存在しています。

このような状況を踏まえつつ相模原市にある空き家の実情を統計データから分析してみましょう。

「平成25年住宅・土地統計調査」によると、相模原市内にある空き家のなかで腐朽・破損がある物件の数は6,920件でした。空き家の総数が35,920件ですから約5.2件に1件の割合で腐朽・破損があることになります。内訳を見ると、二次的住宅は170件ですが、賃貸用の住宅は3,680件で、売却用の住宅は330件、その他の住宅は2,740件でした。建て方で分類すると、一戸建は2,690件ですが、長屋建・共同住宅・その他に関しては4,220件と大半を占めています。さらに詳しく見ると、賃貸用の長屋建・共同住宅・その他の住宅が3,360件、一戸建てのその他の住宅が2,040件と目立った数字になっていました。

相模原市は橋本駅の再開発によってさらに都市機能が充実し、人口は増加傾向となっています。そのため各所で高層マンションの建設が進んでいますが、上記データのように市内には空き家物件が多いという状態です。相模原市は1955年に「工場誘致条例」が制定され、市内には大規模工場が一気に増えました。以降人口も爆発的に増え、そういった工場で働く人々のための集合住宅等も増加しましたが、近年は産業構造転換によって工場の撤退が進み、古い集合住宅だけが取り残されている状況です。また、高度経済成長期に市内に転入してきた多くの市民の高齢化という問題があり、戸建て住宅を相続したとしても老朽化していれば居住が難しいため、空き家となってしまうのでしょう。

腐朽・破損がある物件を所有している方は、対処に困っているはずです。何もせずに所有しているだけでも経済的な負担が圧し掛かりますから、修繕の予定がないのであれば、思い切って解体することも選択肢の一つでしょう。
ちなみに、相模原市の2019年の公示地価を調べると平均157,425円/㎡で、変動率は+1.28%でした。相模原市は平成39年のリニア中央新幹線開業によって今後さらに発展し、地価が上昇することが予想されます。利用目的がない空き家物件を所有している方は、思い切って解体して建て替えるか、更地にしてコインパーキング等に用途変換するなど、何らかの手を打った方が良いでしょう。

相模原市では空家等対策の推進に関する特別措置法第6条の規定に基づき、相模原市における空家等に関する対策を総合的・計画的に推進していくため「空家等の適切な管理の促進」、「空家等の利活用の促進」、「空家等に対する措置など」を3つの柱とした「相模原市空家等対策計画」を平成28年4月に策定しています。

まとめ:相模原市の家・空き家の解体は地元の解体業者に相談を

相模原市では再開発が進んだ地域を中心に新築物件が増加し、人口も増えていますが、その分そのほかの地域にある老朽化した物件には空き家が増えているようです。利用目的がない空き家を相続した場合、処分に困って放置しているとますます価値を失います。また、地震や火災が発生したときには、その空き家によって被害が拡大するかも知れません。

相模原市には「相模原市空家等対策計画」が策定されているほか、市と専門家団体が連携した相談窓口が設置されています。また、相模不動産団体三支部連絡協議会の構成団体の協力のもと、空家等相談員の派遣を実施しています。さらに、「空き家の発生を抑制するための特例措置」として、相続日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに相続人が当該家屋を取り壊した後の土地を譲渡した場合、譲渡所得から3,000万円が控除されます。空き家のことで悩んだときには、一度行政に相談してみると良いでしょう。

解体を決めたならば、行政の制度や地域特有の環境に詳しい地元の業者を選びましょう。

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