神奈川県川崎市多摩区の解体工事業者一覧と費用相場について解説
川崎市多摩区の解体工事を巡る状況
多摩区は川崎市を構成する7行政区のうちの一つです。多摩川沿いに位置し、生田緑地をはじめ緑が豊かな土地で、長閑な住宅地という雰囲気です。多摩区では現在も農業が盛んで、多摩川梨(稲城梨)の収穫時期になると直売所が賑わいを見せます。また、明治大学、専修大学、日本女子大学の生田キャンパスなど教育機関が多く、文教都市としての側面も持っています。小田急線によって都心へのアクセスが良く、通勤・通学に便利なため、単身者からファミリー層まで人気がある街ですが、もともと農地だったところを宅地化した環境のため狭くて入り組んだ道が多く、丘陵地に密集して住宅が建てられているところもあります。学生が多い街ですから単身者向けのアパートが多数ありますが、なかには老朽化して長い間空き家状態の物件もあるようです。
ちなみに、多摩区が属する川崎市には住まいに関する助成制度が多数あります。一部を紹介すると、ブロック塀を撤去後に生垣を作る場合に必要な費用の一部を助成する「生垣づくり助成事業」、公道に面して10m以上の植樹帯を新設する場合に樹木を助成する「駐車場緑化助成事業」など、幅広い用途に対応する助成制度が設けられています。
また、川崎市では住まいの建て替えなどに関するお悩みに対応するため、専門家による無料相談を行っています。空き家問題で悩んでいる方は「川崎市まちづくり局 市街地整備部」に問い合わせてみると良いでしょう。
ここからは、川崎市多摩区の解体工事の現状を紹介し、解体工事費用の相場、解体工事を依頼する上で留意するべき点などを紹介していきます。
川崎市多摩区の解体工事費の相場(平均坪単価)
解体工事は「木造」「鉄骨造」「RC造」の3種類に大きく分類されます。解体工事費は建物の構造ごとに相場が大きく異なりますが、立地環境でも違ってきます。多摩区は農地と住宅地、商業地が混在する土地柄で、道幅の狭いところに住宅が密集する環境も多数見られます。そういった場所で解体工事を行うとなると大型重機が使用し難いため手作業中心の解体となり、工期が長くなるために費用も割高となるでしょう。これから紹介する解体工事費の相場についてはあくまでも見積りを取る際の一つの目安と考えてください。
ここからは、3つの分類ごとの川崎市多摩区の解体工事の相場(平均坪単価)を紹介していきます。
木造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 3.6万円 |
20〜29坪 | 3.3万円 |
30~39坪 | 3.1万円 |
40~49坪 | 3.0万円 |
50~59坪 | 2.9万円 |
まず「木造」の解体費用相場です。「木造」というのは主要構造部分に木材を使用した建築物のことを言います。多摩区における木造建物の解体費用相場は、一般的な規模の30〜39坪で坪単価3.1万円です。ちなみに隣りの高津区は坪単価3.5万円ですから、やや低めの相場です。多摩区には道幅が狭い一方通行の道が多く、そういった環境で解体工事を行うとなると手作業がメインとなるため費用が割高になります。また、残存物の撤去や、庭木・庭石、ブロック塀の解体・撤去作業などがある場合にはその分費用が追加となるでしょう。解体工事を始める前に可能な限り残存物をご自身で片づけておくことをお薦め致します。
ちなみに、解体によって生じた木材や木屑は再資源化するために買い取ってもらうことができます。また、ブロック塀の撤去に関しては川崎市の「ブロック塀等撤去促進助成制度」(令和2年1月31日まで)がありますので、助成金の対象となるかを事前に川崎市に問い合わせてみると良いでしょう。
鉄骨造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 4.4万円 |
20〜29坪 | 4.0万円 |
30~39坪 | 3.8万円 |
40~49坪 | 3.6万円 |
50~59坪 | 3.5万円 |
続いて「鉄骨造」の解体費用相場です。「鉄骨造」とは柱や梁などの骨組みに鉄骨を組んで造った建築物のことを言います。「鉄骨造」の建物を解体する場合、手作業というわけにはいきませんので、大型重機や大型車両が導入されます。そのため費用も木造に比べて高くなりますし、構造によっては工期も長くなるでしょう。また、2006年以前に建てられた「鉄骨造」の建物にはアスベスト(石綿)を使用しているものがありますので、事前に図面等で確認しておきましょう。アスベストを処理する際には川崎市に届出書を提出し、「川崎市公害防止等生活環境の保全に関する条例」に沿って安全に作業を進めなければいけません。アスベスト処理には専門の資格が必要となりますので、有資格者が在籍する解体業者を選ぶことをお薦め致します。
鉄骨造の建物を解体して発生する鉄材や鉄くずは有価物として業者に買い取ってもらうことができます。また、アスベスト処理を行う場合、「川崎市民間建築物吹付けアスベスト対策事業」による助成対象となるかどうか、事前に確認しておくと良いでしょう。
RC造の解体費用相場
坪数 | 坪単価 |
---|---|
10〜19坪 | 7.3万円 |
20〜29坪 | 6.7万円 |
30~39坪 | 6.3万円 |
40~49坪 | 6.1万円 |
50~59坪 | 5.9万円 |
最後に「RC造」の解体費用相場です。「RC造」とは柱、梁、床、壁などが鉄筋とコンクリートで作られており、その2つの組み合わせによって強度を増した建築物のことを言います。多摩区には築年数の古いRC造の中低層マンションが多数ありますが、RC造はとにかく頑丈なため、解体に際しては複雑な工程が必要となり、工期が長くなります。また、コンクリートを破壊する際に発生する騒音や粉塵が大きな問題です。近隣住民から苦情が出ないように事前に説明会を開くなど、丁寧な対応ができる解体業者を選んでおくと安心でしょう。
神奈川県川崎市多摩区で実際に行われた解体工事の費用事例
建物解体工事以外の案件や飲食店などの内装解体を行いたい方は、前述した費用相場を見てもピンとこないことでしょう。そこで、解体工事見積もり広場へご相談頂き、実際に受注にいたった案件の費用事例を随時ご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
- 神奈川県川崎市多摩区における解体工事の費用事例は現在作成中となっております。
神奈川県川崎市多摩区で設備解体工事を依頼する前に知っておくべきこと
店舗やオフィスの設備を解体する工事の総称は内装解体
設備解体工事といっても人それぞれ認識が異なることが多く、業者への見積もり前にあらかじめ理解を深めた上で依頼することが大切です。
ここでは、主に店舗やオフィスで依頼することがある工事の種類や名称、その内容の違いなどについて解説していきます。
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内装解体
内装解体とは、スケルトン工事や原状回復工事の総称です。
具体的には、スケルトン工事や原状回復工事を行う際に、店舗・オフィス内の造作物(厨房設備やカウンターなど入居時になかった物)を解体して撤去する作業のことを言います。
スケルトン解体工事
スケルトン解体工事とは、建物の構造体以外は何もない状態へ戻す工事の名称です。
入居時の内装工事で造作した間仕切りや天井、壁や床などの造作物を全て撤去していきます。鉄筋コンクリート造のビルなどの場合、コンクリート打ちっぱなしの状態と表現されます。
スケルトン工事、スケルトン仕上げ、スケルトン戻し、などと呼ばれることがありますが、そのどれもスケルトン解体工事のことを指しており、意味は同じとなります。
原状回復工事
原状回復工事とは、店舗やオフィスなど物件を借りた際の元々の状態にまで戻し、貸主に返却するために借り主が行う工事です。
物件を借りた時点でスケルトン状態だったのであれば、原状回復工事はスケルトン工事となり、そうでなければ造作物など後から付けたものを撤去する工事となります。
例えば、飲食店など店舗として物件を借りる場合、スケルトン状態で借りていることが多く、オフィスや事務所として借りる場合、スケルトン状態ではないケースが多いでしょう。
※物件を借りた際の契約書に解約時の原状回復工事内容について記載されています。
設備解体工事
設備解体工事とは、一般的に工場などの設備を解体するプラント設備解体工事を指す場合がほとんどです。店舗やテナントの場合、借りた際にはなかった厨房などの設備を解体・撤去する工事の名称としてはあまり使われません。
そのため、飲食店などの店舗を移転・閉店する際に厨房設備などを撤去・解体したいのであれば、多くはスケルトン解体工事を依頼することになるでしょう。
また、飲食店の改装などで現場を解体・撤去してスケルトン状態にするために、消火用設備電源装置などの消防設備工事も必要なケースがあります。そういった場合は消防設備工事業務、整備業務、点検業務も同時に対応可能な解体業者に相談してください。
まずは間違いを起こさないために、賃貸借契約書などで解約時の工事内容について確認した上で、解体業者に見積もりを依頼しましょう。
川崎市多摩区の空き家の種類と件数
解体工事の対象となる物件には空き家が多いため、川崎市多摩区の空き家の現状について政府統計データに基づき分析してみましょう。
多摩区の空き家の総数は15,450件で、川崎市7区のなかでは最も多い件数です。なお、空き家というのは誰も住んでいない、住めない家ということではなく、別荘として利用している「2次的住宅」、「賃貸用の住宅」、「売却用の住宅」、この3つに該当しない「その他の住宅」の4つの種類に分類されます。多摩区の空き家15,450件の内訳を見ると、2次的住宅は70件で、賃貸用の住宅は12,220件、売却用の住宅は460件、この3つのような利用目的がないその他の住宅に関しては2,710件でした。ちなみに、賃貸用の住宅の空き家数12,220件というのも川崎市内で最多となっています。
多摩区は登戸駅周辺で再開発が進んでおり、そのほかの地域でも高層マンションの建設が続いています。緑豊かで娯楽施設や商業施設が多く、都心へのアクセスが良いことからベットタウンとして人気がありますが、学生や単身者が多い街でもあります。賃貸物件の家賃相場は安い方ですが、住民の転出入が頻繁なため空き家が出やすいのでしょう。今後も登戸駅周辺など再開発が進んだ場所には新築物件が増えていきますから、古いアパートやマンションは苦戦するかも知れません。
このような状況を踏まえつつ多摩区にある空き家の実情を統計データから分析してみましょう。
「平成25年住宅・土地統計調査」によると、多摩区内にある空き家のなかで腐朽・破損がある物件の数は2,700件でした。空き家の総数が15,450件ですから約5.7件に1件の割合で腐朽・破損があることになります。内訳を見ると、二次的住宅は0件ですが、賃貸用の住宅は2,100件、売却用の住宅は80件で、その他の住宅は510件でした。建て方で分類すると、一戸建は300件ですが、長屋建・共同住宅・その他に関しては2,400件と大多数を占めています。
多摩区は人口が増加傾向にあり賃貸物件への需要も高いのですが、やや供給過多の状態と思われます。そんなところに新築物件が増えていますから、古いアパートやマンションはますます人気がなくなるでしょう。全体として見れば腐朽・破損がある物件の割合は低いのですが、賃貸用の住宅に関しては約8割を占めています。
ちなみに、多摩区の2019年の公示地価を調べると平均308,666円/㎡で、変動率は+2.87%でした。エリア別で見ると、再開発が進んでいる登戸駅周辺は変動率が+6.29%と大きく上昇しています。また、向ヶ丘遊園駅の近くには823,000円/㎡、変動率+6.19%という土地もあり、特に小田急線沿線の駅近くで地価が上昇しているように思われます。もし老朽化した空き家物件を所有しているなら、地価が上昇しているうちに更地にして売却することも選択肢の一つと言えるでしょう。
多摩区が属する川崎市では総合的・計画的に空き家対策を実施するため「川崎市空家等対策計画」を平成29年3月に策定しました。
この計画に基づき、相続人が当該家屋又は取壊し後の土地を譲渡した場合、譲渡所得から3,000万円が控除されます。そのほか、川崎市には老朽空き家等に対する除却の助成(老朽建築物除却事業)や空き家及び高齢者の住み替えに関する相談窓口の設置など様々な取り組みがあり、「空家化の予防」「空家の流通・活用促進」「管理不全な空家の防止・解消」「空家に係る跡地の活用」を推進しています。
まとめ:川崎市多摩区の家・空き家の解体は地元の解体業者に相談を
多摩区は都心への交通アクセスの良さで単身者からファミリー層まで人気がある街ですが、賃貸用の住宅に関しては物件数が多いこともありやや飽和状態のようです。老朽化した空き家物件の数も比較的多く、今後さらに苦戦することが予想されます。借り手のつかない物件を所有していても経済的な負担が重く圧し掛かるだけでしょう。修繕の予定がないのであれば思い切って解体してしまうことをお薦め致します。
川崎市には「川崎市空家等対策計画」が策定されているほか、住まいに関する様々な助成制度が設けられています。空き家物件のことでお悩みの方は一度行政に相談してみると良いでしょう。「川崎市住まい助成制度等 相談窓口」については一般財団法人 川崎市まちづくり公社の公式ホームページにてご確認ください。
解体を決めたならば、行政の制度はもちろんのこと地域特有の環境にも詳しい地元の業者を選びましょう。